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チュートリアル講演


チュートリアル講演1

6月5日(火) 13:20-15:00

I会場(2F ロイヤルガーデンA)

「人と人工知能を繋げるヒューマンエージェントインタラクション(HAI)」

今井 倫太 先生
(慶應義塾大学理工学部 教授)

人は,複雑で意図を持って動いているように見えるものに対して,人のモデルを基に解釈しようとする.今後,人工知能技術,IoT,自動運転,ロボットの普及に従って,人に知的なシステムをどう見せていくかは重要なトピックになっていく.本チュートリアルでは,ヒューマンエージェントインタラクション(HAI)の研究を紹介する中で,人が接しやすい人工知能システムの在り方について解説する.

[ 略歴 ]
平成4年慶應義塾大学理工学部電気工学科卒業.1994年同大学大学院計算機科学専攻修士課程修了.同年,NTTヒューマンインタフェース研究所入社.1997年ATR知能映像通信研究所へ出向.2002年慶應大学大学院理工学研究科後期博士課程修了.博士(工学).2009年-2010年シカゴ大学客員研究員.現在,慶應大学理工学部情報工学科教授およびATR知能ロボティクス研究所研客員究員.2017年ドコモモバイルサイエンス賞社会科学部門受賞.人型ロボットや自律エージェントと人とのインタラクションの研究に従事.情報処理学会,電子情報通信学会,人工知能学会,日本認知科学会,日本ロボット学会,ヒューマンインタフェース学会,ACM,IEEE各会員.

[ 講演資料PDFダウンロード ]

チュートリアル講演2

6月5日(火) 15:20-17:00

I会場(2F ロイヤルガーデンA)

「強化学習」

長 隆之 先生
(東京大学大学院新領域創成科学研究科 特任助教/理化学研究所革新知能統合研究センター 客員研究員)

将棋や囲碁においてプロ棋士にAIが勝利するようになる中で,強化学習が社会の注目を集めるようになってきています.近年発展が著しい深層学習を取り入れた強化学習は深層強化学習と呼ばれ目覚ましい成果を上げていますが,その基本的な理論は長年研究されてきた強化学習に基づくものです.ただ,強化学習に初めて取り組む場合,ベルマン方程式や方策勾配法などの基礎の部分でつまずくことも多く,最新の研究成果を把握するところまでたどり着くのは容易ではありません.このチュートリアルでは,強化学習の初学者を対象に,まずは強化学習の分野全体について大まかに把握することを目指して,基礎的な理論から近年の深層強化学習における着目すべき成果まで幅広く紹介します.

[ 略歴 ]
2015年東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻にて博士課程修了.2010年より2012年までテルモ株式会社勤務.2015年から2017年までダルムシュタット工科大学にてポスドク研究員.2017年4月より東京大学大学院新領域創成科学研究科複雑理工学専攻にて特任助教.2017年9月より理化学研究所革新知能統合研究センターにて客員研究員兼務.

チュートリアル講演3

6月5日(火) 17:20-19:00

I会場(2F ロイヤルガーデンA)

「対話システム構築入門」

中野 幹生 先生
((株)ホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパン リサーチ・ディビジョン プリンシパル・リサーチャ)

本チュートリアルでは,対話システム構築の経験がない方を対象に,対話システムの作り方を解説します.最初に,対話システムとはどのようなものかを実際の製品やサービスの例をあげつつ説明します.次に,簡単なテキスト入出力対話システムを例として,システム構築の手順を解説します.その後,様々なタイプの対話システムを構築するにはどのようにすればよいかを概念的に説明します.その中で,システムのデザインに役立つ理論的な概念や,深層学習を含む機械学習技術の利用法についても実例を交えながら述べます.さらに対話システムの評価の仕方についても説明します.

[ 略歴 ]
1988 年東京大学教養学部基礎科学科第一卒業.1990 年同大学大学院理学系研究科相関理化学専攻修士課程修了.1990年-2004 年日本電信電話(株)勤務.1998 年東京大学博士(理学).2004 年(株)ホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパン入社.現在,同社プリンシパル・リサーチャ.対話システムの研究に従事.著書:「話し言葉対話の計算モデル」(共著,電子情報通信学会,2014年),「対話システム」(共著,コロナ社,2015年).

[ 講演資料PDFダウンロード ]

チュートリアル講演4

6月6日(水) 9:00-10:40

I会場(2F ロイヤルガーデンA)

「IoT技術の概要とSmart Cityへの応用例」

山田 敬嗣 先生
(NEC中央研究所 理事 兼 価値共創センター長)

IoT技術をSociety5.0, Industrie 4.0, Industrial IoTなどの国家戦略,産業戦略の観点から概観します.IoTを構成する技術群を,コンピューティングシステムやネットワークなどのシステムアーキテクチャの観点からレイヤ構造として分類し,それを構成する技術に関して,いわゆるThe Internetの要素技術との違いや,求められる新たな機能について議論します.さらに,IoT技術の応用としてのSmart Cityの実現例を参照しながら,IoTの要素技術を人工知能技術と組み合わせることで実現できる機能や新たに創造する社会価値を議論します.

[ 略歴 ]
日本電気株式会社中央研究所理事兼価値共創センター長.1987年に京都大学大学院博士課程を修了し,同年に日本電気株式会社に入社.カリフォルニア大学サンディエゴ校客員研究員,日本電気株式会社メディア情報研究所長,同社C&Cイノベーション研究所長,同社中央研究所支配人,同社シンガポール研究所長などを経て2016年より現職.その間,電子情報通信学会理事や情報処理学会理事などを歴任し,現在,国際パターン認識学会(IAPR)日本代表理事.専門は,情報理論,パターン情報処理,社会情報システムなど.坂井記念特別賞などを受賞.

チュートリアル講演5

6月6日(水) 13:20-15:00

I会場(2F ロイヤルガーデンA)

「計算社会科学におけるWebマイニング」

鳥海 不二夫 先生
(東京大学大学院工学系研究科 准教授)

Webのソーシャル化や実空間での様々な行動センシングが進行している現在,人々の情報行動やコミュニケーション行動がデジタルに記録・蓄積されるようになった.このような大規模社会データを情報技術によって取得・処理し,分析・モデル化して,人間行動や社会現象を定量的・理論的に理解しようとする「計算社会科学」に注目が集まっている.本チュートリアルでは計算社会科学の視点から,ソーシャルメディア(Twitter)を中心にWeb上のデータを取得し,分析する手法の基礎を学ぶ.主にクローリング,ネットワーク分析,自然言語処理の技術について解説する.

[ 略歴 ]
2004年,東京工業大学大学院理工学研究科機械制御システム工学専攻博士課程修了,同年名古屋大学情報科学研究科助手,2007年同助教,2012年東京大学大学院工学系研究科准教授.エージェントベースシミュレーション,ソーシャルメディア分析,計算社会科学,人工知能技術の社会応用などの研究に従事.人工知能学会,電子情報通信学会,情報処理学会,日本社会情報学会会員.(博士(工学))

[ 講演資料URL ]

チュートリアル講演6

6月6日(水) 15:20-17:00

6月7日(木) 15:50-17:30

I会場(2F ロイヤルガーデンA)

「実践Deep Learning – いまさら聞けない入門編」

中山 浩太郎 先生
(東京大学大学院工学系研究科 特任講師)

画像認識やゲーム,翻訳など幅広い分野で従来手法を凌駕する性能を達成しているDeepLearning技術ですが,この1〜2年で急速に技術開発が進み,手軽にアプリケーションに適用できるライブラリなどが充実してきました.本セッションでは,東京大学で開催中のDeep Learning講座の内容を一部利用したハンズオン形式のチュートリアルを提供します.本チュートリアルではWebブラウザ上でGPUを利用したPythonコーディングが可能な「ilect.net」による演習を行います.
– 参加希望者は,右記のURLを参照の上,参加準備をお願いします. http://deeplearning.jp/jsai2018/

[ 略歴 ]
東京大学工学系研究科技術経営戦略学専攻 松尾研究室 特任講師.2007年に大阪大学大学院情報科学研究科博士号取得後,大阪大学情報科学研究科特任研究員,東京大学知の構造化センター助教,講師を経て,現在に至る.専門分野はAI,Web,大規模データ解析.

チュートリアル講演7

6月6日(水) 17:20-19:00

I会場(2F ロイヤルガーデンA)

「画像・映像認識」

井上 中順 先生
(東京工業大学情報理工学院 助教)

画像・映像認識は,近年の人工知能に関する研究課題として,世界的な注目を浴びているもののひとつです.特に,大規模データを利用した深層学習や,そこから得られた知識を活用するゼロショット学習などの,学習技術発展は目覚ましいものです.本チュートリアルでは,それらの歴史から最先端の研究までを,ネットワーク構造・データセット・ツールキットの解説を含め,初学者にも分かりやすく紹介します.今後の人工知能に関する研究では,自然言語処理や音声情報処理などを含め,分野を横断したコラボレーションの重要性がますます高くなっていくと予想されるため,様々な分野の研究者との情報共有や議論ができる場となることを期待しています.

[ 略歴 ]
平成26年3月 東京工業大学より博士(工学)取得 (指導教員:篠田浩一教授)
平成26年4月-現在 東京工業大学 情報理工学院 助教
マルチメディア情報処理,主に映像の認識・理解の研究に従事.

チュートリアル講演8

6月7日(木) 13:50-15:30

I会場(2F ロイヤルガーデンA)

「"深層学習時代の" ゼロから始める自然言語処理」

荒瀬 由紀 先生
(大阪大学大学院情報科学研究科 准教授)

口コミやツイート,ニュースリリースから業務報告まで,テキストは人間の知識の宝庫です.テキストを自動で処理する技術である自然言語処理によって,ツイートからユーザのニーズを発見したり,口コミから自社サービスへの満足度・不満度を推定したり,業務報告から効率化につながる知識獲得が可能になります.本チュートリアルでは,自然言語処理に初めてふれる方を対象に,幅広い応用範囲をもつテキスト処理技術:文の類似度の推定,テキスト分類,ソーシャルテキストの処理を題材として,深層学習を用いたアプローチについて解説します.

[ 略歴 ]
2010年大阪大学大学院情報科学研究科 博士後期課程修了.博士(情報科学).
同年,北京の Microsoft Research Asia に入社,自然言語処理に関する研究開発に従事.
2014年より大阪大学大学院情報科学研究科マルチメディア工学専攻准教授,現在に至る.
言い換え表現抽出,機械翻訳技術,対話システムにおける発話応答生成に興味を持つ.

[ 講演資料URL ]

チュートリアル講演9

6月8日(金) 12:00-13:40

I会場(2F ロイヤルガーデンA)

「人工知能の自然科学,社会科学への応用」

上田 修功 先生
(理化学研究所革新知能統合研究センター 副センター長/NTTコミュニケーション科学基礎研究所 特別研究室長(NTTフェロー))

近年,機械学習,特に,深層学習を土台とした人工知能技術が多方面で開発されています.本チュートリアルでは,人工知能技術の応用面に焦点をあて,医療,宇宙物理,脳科学などの自然科学分野や,防災・減災,インフラ保守・整備などの社会科学分野において,どのような問題,課題を人工知能技術が解決しているか,または,解決しようとしているかについて,具体的な事例に基づいて紹介します.さらに,2016年4月に設立した,理化学研究所革新知能統合研究センターでの研究内容についても紹介します.

[ 略歴 ]
1982年 大阪大学 工学部通信工学科卒業
1984年 同大学院 通信工学専攻修士課程修了
1984年 日本電信電話公社(現NTT)入社
1991年 NTT コミュニケーション科学研究所 主任研究員
1992年 博士(工学)
1993年-1994年 米国Purdue大学客員研究員
2003年 NTT コミュニケーション科学基礎研究所 知能情報研究部長
2010年-2013年3月 同研究所 所長
2017年4月現在 同研究所 特別研究室長(NTTフェロー) 機械学習・データ科学センタ代表
理化学研究所 革新知能統合研究センター 副センター長
国立情報学研究所客員教授,
京都大学大学院情報学研究科連携教授,
電子情報通信学会,情報処理学会,IEEE各会員

チュートリアル講演10

6月8日(金) 14:00-15:40

I会場(2F ロイヤルガーデンA)

「ヒューマンコンピュテーションとクラウドソーシング」

馬場 雪乃 先生
(京都大学大学院情報学研究科 助教)
※現所属は筑波大学システム情報系 准教授です

現在の人工知能技術を社会の問題解決に活用するためには,人間の知識や知覚,判断,意思決定との協調が必要不可欠です.ヒューマンコンピュテーションは,人工知能システムの内部に人間への問合せを組込むことで,人間と人工知能の協調により難しい問題を解決しようという考え方です.クラウドソーシングサービスの普及により多数の人間への問合せが効率化され,ヒューマンコンピュテーションの実現が容易になりました.一方,ヒューマンコンピュテーションでは,人間の多様性・不確実性が課題となります.本チュートリアルでは,ヒューマンコンピュテーションとクラウドソーシングの基本概念や応用事例を紹介するとともに,機械学習などを用いて人間の多様性・不確実性に対処するための方法論を解説します.

[ 略歴 ]
2012年東京大学大学院情報理工学系研究科にて博士号を取得.
東京大学大学院情報理工学系研究科 特任研究員,
国立情報学研究所 及び JST河原林ERATO 特任助教を経て,
2015年より京都大学大学院情報学研究科 助教.
追記:
2018年より筑波大学システム情報系 准教授.

[ 講演資料PDFダウンロード ]