このエントリーをはてなブックマークに追加

基調講演・招待講演


基調講演

6月5日(火) 11:00~12:10

A会場(4F エメラルドホール)

「手づくりの会話情報学 – 人と人工知能の未来のコミュニケーション」

西田 豊明 先生
(京都大学 大学院情報学研究科 教授 / 理化学研究所 革新知能統合研究センター 人とAIのコミュニケーションチーム チームリーダー)

現代の人工知能は,機械学習技術の進展により膨大な空間の中からのパターン発見能力が大幅に強化され,高度化が急速に進んでいます. 人間社会が人工知能のもたらすベネフィットを最大限に享受できるようにするためには,人間社会と人工知能がともに依拠できる共有基盤(common ground)を構築し,発展させていく手法を確立することが不可欠です. 目標とすべき共有基盤の条件として,人にとっても人工知能にとってもその内容がよく理解できること,および,人間社会のすべての構成員が自分の考えや気持ちを織り込んで相互理解を促進するための土台となることを課すのであれば,誰でも日常親しんでいる会話を通して共有基盤づくりに参加できるようにすることが必要になります. 他方,人と人が日常的に行っている会話は,非常に多くの要因が複雑に絡み合い,暗黙的な側面をたくさん含んでいますから,会話からの共有基盤づくり,および,共有基盤を理解してさまざまな応用で活用できるようにすることは,非常にチャレンジングな課題であると言えます. 現代のテクノロジーをもってしても,共有基盤づくりも会話システムづくりもかなり手づくりにならざるを得ないと考えられますが,それは必ずしもディメリットではありません. 手づくりのプロセスを通して会話について,会話に参加する人間について,そして,人工知能が会話に参加できるようになるための条件について多くのことを学ぶことができます. この講演では,会話の面白さと難しさに触れつつ会話に関わるこれまでの研究を俯瞰し,共有基盤構築と活用のための課題とアプローチ,および人工知能をはじめとするテクノロジーによる会話の拡張について議論します.

[ 略歴 ]
1977年京都大学工学部卒業.1979同大学院修士課程修了,1993年奈良先端科学技術大学院大学教授,1999年東京大学大学院工学系研究科教授,2001年東京大学大学院情報理工学系研究科教授を経て,2004年4月京都大学大学院情報学研究科教授,現在に至る.
2003年会話情報学を提唱,その後,主要研究テーマとして取り組んでいる.理化学研究所・革新知能統合研究センター(AIP)・「人とAIのコミュニケーション」チームリーダー(2017~),総務省「AIネットワーク社会推進会議」構成員(2016~),日本学術会議連携会員(2006~),AI & Society誌Associate Editor.これまで,人工知能学会会長(2010~2011年度),日本学術振興会学術システム研究センター主任研究員(2010~2012年度),JST CREST「共生社会に向けた人間調和型情報技術の構築」研究領域総括(2014~2016年度)などを歴任.“Conversational Informatics” John Wiley(2007年,編著),“Conversational Informatics—A Data-Intensive Approach with Emphasis on Nonverbal Communication” Springer(2014年,共著),“Data Mining for Social Robotics: Toward Autonomously Social Robots” Springer(2015年,共著),“Human-Harmonized Information Technology, Volume 1” Springer(2016年,編著),“Human-Harmonized Information Technology, Volume 2” Springer(2017年,編著)などを上梓.

招待講演1

6月6日(水) 11:00~12:10

A会場(4F エメラルドホール)

「人工知能と脳科学:人間にどこまで迫れるか」

甘利 俊一 先生
(理化学研究所脳科学総合研究センター脳数理研究チーム シニア・チームリーダー)

コンピュータが出現して以来,人の知能をコンピュータ上に実現する人工知能が浮き沈みこそあれ脚光を浴びてきた. これには二つの流れがあった. 一つは,記号と論理を用いてプログラムする試みで,もう一つはニューラルネットを使った例題からの学習の方向であった. 今この流れが融合し,ディープラーニングを突破口として,素晴らしい局面が開かれようとしている. ディープラーニングの技術的な課題について理論の面から触れてみたい. それだけでなく,人工知能研究の歴史的な展望と将来,脳科学との関係,さらに人工知能は人のような意識や心を持つようになるか,こんなことを長年研究を行ってきた者として語ってみたい.

[ 略歴 ]
数理工学を専攻する研究者である.情報幾何など,情報の数理を扱う数学理論を提唱する一方,脳の仕組みを数理の立場で明らかにする,数理脳科学の建設に励んでいる.東京大学工学部,同大学院で数理工学を専攻,九州大学助教授,東京大学助教授,教授を経て,現在同名誉教授.理化学研究所の脳科学総合研究センターのセンター長を5年間勤め,現在は同センターの特別顧問.
電子情報通信学会会長,国際神経回路網学会会長などを務め,文化功労者,日本学士院賞,IEEEピオーレ賞,神経回路網パイオニア賞,Gabor賞など多数を受賞.囲碁6段,日本棋院の囲碁大使.テニスやスキーを楽しむ.

招待講演2

6月7日(金) 11:30~12:40

A会場(4F エメラルドホール)

「人工知能は未来の経済をどう変えるか?」

井上 智洋 先生
(駒澤大学経済学部准教授)

人工知能は未来の雇用,経済成長,所得分配にどのような影響を与えるだろうか?そのような問題を論じるには,特化型AIと汎用AIに分けて考える必要がある. 特化型AIは「技術的失業」をもたらすが,これは局所的かつ一時的な失業で済むはずだ. それに対し,汎用AIが出現すれば全体的かつ長期的な失業がもたらされる可能性がある. その一方で爆発的な経済成長をもたらす可能性もある. さらに,所得格差を拡大させるので,ベーシックインカムのような新たな所得再分配の仕組みが必要となる.

[ 略歴 ]
駒澤大学経済学部准教授,早稲田大学非常勤講師,慶應義塾大学SFC研究所上席研究員,総務省AIネットワーク化検討会議構成員,AI社会論研究会共同発起人.博士(経済学).慶應義塾大学環境情報学部卒業.2011年に早稲田大学大学院経済学研究科で博士号を取得.早稲田大学政治経済学部助教,駒澤大学経済学部講師を経て,2017年より同大学准教授.専門はマクロ経済学.最近は人工知能が経済に与える影響について論じることが多い.著書に『新しいJavaの教科書』『人工知能と経済の未来』『ヘリコプターマネー』『人工超知能』『人工知能は資本主義を終焉させるか』などがある.


スポンサー

冠スポンサー

プラチナスポンサー

ゴールドスポンサー

シルバースポンサー

メディア協賛