基調講演・招待講演


基調講演

6月6日 (火)

「機械に知能を与えるということはどういうことなのか?」

津本 周作 氏
(島根大学 教授/人工知能学会 会長 )

AIが社会の基盤として定着しつつあるなか,AIへの関心は研究者が想定している関心にはとどまらず,多種多様な関心と期待が大きく拡がってきている。そこで,現在の時点で機械に知能を与えることの意味を問い直す時期が来ているように思われる。演者が携わってきた医療の領域を中心に,知能を与えることの意味を考察したい。

[ 略歴 ]
津本 周作
1989年大阪大学医学部卒業.同年,千葉大学医学部附属病院医員(神経内科).
1990年松戸市立病院救急部医員.1991年千葉大学医学部附属病院医員(医療情報部).1993年東京医科歯科大学助手.1997年東工大にて博士(工学)を修得.
1999年島根医科大学助教授.2000年同大学医療情報学教授.
2003年島根大学医学部医療情報学講座教授.現在に至る.
専門は,医用人工知能,特にデータマイニングの医療応用.
2018年7月-2020年6月 人工知能学会副会長
2022年6月より人工知能学会会長
IEEE,ACM,人工知能学会,情報処理学会,日本医療情報学会 各会員.

招待講演1

6月7日 (水)

「中央銀行や金融業での人工知能,機械学習の活用」

副島 豊 氏
(日本銀行金融研究所所長)

デジタル化社会の到来で,利用可能なデータの質と量が一気に拡大している.同時に,ビッグデータや非構造化データのポテンシャルを活かした分析手法も発展を遂げており,人工知能や機械学習,自然言語解析,空間情報処理,マイクロマーケティングなど,新しい手法が金融ビジネスや中央銀行業務に取り入れられている.講演では,そうした金融界の現状と課題,未来の可能性について展望する.

[ 略歴 ]
2021年9月より日本銀行金融研究所所長。1990年に日本銀行に入行し、金融研究所や金融市場局、金融機構局、決済機構局、調査統計局などで、リスク計量クオンツ業務、市場分析、マクロプルーデンス、決済システム解析や規制・制度のデザイン、景気・経済調査に従事してきた。90年代よりAIを活用した調査やビッグデータ解析、ネットワーク分析、シミュレーション分析、GIS、テキスト解析など多様な手法を中央銀行リサーチに導入し、多くの部署のリサーチフロンティアを拡げている。

招待講演2

6月8日 (木)

「理化学研究所革新知能統合研究センターの取り組み」

杉山 将 氏
(理化学研究所/東京大学)

理化学研究所革新知能統合研究センター(理研AIP)は,文科省AIPプロジェクトの研究拠点として2016年度に設置されました.理研AIPでは,次世代の知的情報処理体系の構築を目指す汎用基盤技術研究(深層学習理論,最適化理論,ロバスト学習など),AIによる科学研究加速と社会課題解決を目指す目的指向基盤技術研究(医療,材料,自然災害,超高齢社会,教育など),AIの倫理・法・社会的側面の議論を行う社会的AI研究(倫理規定,個人情報管理,公平性など)に取り組んでいます.本講演では,機械学習研究の国際的な動向を概観するとともに,理研AIPの最新の研究成果をご紹介します.

[ 略歴 ]
2001年東京工業大学博士課程修了.博士(工学).同大学助手,准教授を経て,2014年より東京大学教授.2016年より理化学研究所革新知能統合研究センター長を併任.機械学習の理論構築とアルゴリズム開発に従事.日本学術振興会賞,日本学士院学術奨励賞,科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞を受賞.Neural Information Processing Systems Conference 2015およびInternational Conference on Artificial Intelligence and Statistics 2019のプログラム委員長を歴任.Machine Learning from Weak Supervision (MIT Press 2022)などを出版.