【記事更新】私のブックマーク「高等学校の情報教育」


私のブックマーク

高等学校の情報教育

遠山 紗矢香(静岡大学)

1. はじめに

 つい数年前まで,プログラミングは大学の授業で初めて学ぶという学生が多数派でした.しかしながら本稿執筆時点(2026年4月)では,高等学校でプログラミングを学んだ経験を有する学生がほとんどを占めています.本稿では,高等学校における情報教育に焦点を当てたうえで,ここに至るまでにどのような動きがあったのか,そして現状ではどのような教育が行われているのかを概説します.また,近年話題の探究学習や,学校教育における生成AIの活用にも触れます.なお本稿では,学校での情報教育の基盤となる学習指導要領など,制度に関することから丁寧に説明することを試みました.

2. 学習指導要領,教科,科目

 小学校から高等学校までの教育は,文部科学省による学習指導要領 に沿って実施することが決められています.学習指導要領は法的拘束力をもっており,学校や学校の先生方などは,これに沿って児童生徒を指導しなければなりません.
 日本の学習指導要領はミニマムスタンダードということができます.つまり,「決まり」を最小限に絞ることで,学校や先生方が創意工夫するための余地を広く取っています.学習指導要領の記述量がそれを物語っています.
 高等学校学習指導要領は科目ごとに記載されており,科目はいずれかの教科に含まれます.高校生が学ぶ教科・科目は生徒の所属により異なります.なぜならば,高等学校には普通科や理数科,工業科といった学科もあるからです.高等学校のどの学科に所属している生徒も必ず履修する科目のことを「必履修科目」と呼びます.この必履修科目の例として,教科「数学」の科目である「数学Ⅰ」や,教科「保健体育」の科目である「体育」があげられます.
 ここでは高等学校学習指導要領(平成30年(2018年)3月告示) を対象に,必履修科目を少なくとも一つ含む教科に限定して,学習指導要領のページ数を数えてみました.該当したのは国語,地理歴史,公民,数学,理科,保健体育,芸術,外国語,家庭,情報の10教科です.これら10教科について書かれているのは,33~195ページでした.これらの教科には合わせて53の科目が含まれています.したがって,平均すると1科目につき3ページ程度の分量しかありません.
 これまで学習指導要領の改訂は,およそ10年に一度行われてきました.したがって学習指導要領の改訂では,10年間陳腐化しないことを意識する必要があります(改訂のプロセスは 下部「学習指導要領ができるまで」).
 また学習指導要領は,学校で全面実施されるよりも約3年前に告示(公開)されてきました.例えば,本稿執筆時点の高等学校学習指導要領は,平成30年(2018年)3月に告示され,令和4年度(2022年度)入学生から年次進行で実施されました.したがって,令和4年度入学の高校生は3年間を通じてこの学習指導要領に沿って学びました.一方で,令和3年度以前に入学した高校生は,入学時点での学習指導要領(平成21年(2009年)告示)で3年間学びました.
 情報教育に関していえば,令和4年度時点の高校3年生は教科「情報」について,後述する「情報の科学」または「社会と情報」(p.101 第10節 情報)のいずれかで学んだ可能性が高いです.令和4年度入学の高校生ならば,後述する「情報Ⅰ」で学んだ可能性が高いです*1
 このように学習指導要領が切り替わる時期は,科目の変更によって生徒が学ぶ内容が変わることもあります.したがって大学入試では,どちらの科目で学んでも生徒が困ることがないように経過措置を行う場合があります.実際に教科「情報」の経過措置として,令和7年度(2025年度)の大学入学共通テストでは「情報Ⅰ」と「旧情報」の二つ が用意されました.過年度生は旧課程で学習している可能性が高いため「旧情報」を選択することができました.
 なお,全面実施に先駆けて,「前倒し実施」として,告示された新しい学習指導要領による指導を行うこともあります.前倒し実施では,社会の変化に即して新しい教育を実施できる利点がある反面,新しい学習指導要領に準拠した資料が限られている中で授業をする難しさも伴います.

*1 生徒が所属する学校の時間割(教育課程)で「情報Ⅰ」がどの学年で開設されていたかにもよります.また,代替科目で学んだ場合はこの限りではありません.

3. 学習指導要領解説

 学習指導要領の内容を踏まえつつ授業をつくるために,文部科学省から学習指導要領の内容を解説した「学習指導要領解説」が提供されています.学習指導要領解説は,学習指導要領の内容を補足するもので,具体的な指導例が示されることもあります.学習指導要領はすべての教科が学校種(小学校,中学校,高等学校)ごとに1冊にまとめられていますが,学習指導要領解説は学校種ごと,各教科につき1冊です.
 情報教育に関していえば,平成29年(2017年)3月告示の小学校学習指導要領にて,初めてプログラミングを扱うことが示されました.これを受けて,平成29年(2017年)7月に公開された【算数編】小学校学習指導要領解説 では,算数の「正多角形の作図」において,正多角形の辺と角がすべて同じであるため,繰返しを用いたプログラムで記述しやすいことや,手描きと比べて辺の長さや角度などを正確に描画できることといった,プログラミング活動を導入するための手掛かりが示されています.
 また,小学校でのプログラミング活動について「プログラミング的思考」という用語やその説明が記載されたのも学習指導要領解説です.プログラミング的思考とは,「自分が意図する一連の活動を実現するために,どのような動きの組合せが必要であり,一つ一つの動きに対応した記号を,どのように組み合わせたらいいのか,記号の組合せをどのように改善していけば,より意図した活動に近づくのか,といったことを論理的に考えていく力」を指す用語です.小学校でのプログラミング教育の目的の一つ目は,児童のプログラミング的思考を涵養することです.二つ目は,プログラミングを通じて対象コンテンツに対する理解を深める(各教科などの学びを確実なものにする)ことです.三つ目は,情報社会の一員として情報技術に関心を寄せたり問題解決をしたりすることを促すことです.正多角形の性質について理解を深めることや,プログラムをつくって実行して改善して,という仮説検証サイクルを通じて自分の考えをより良くしていくこと がこれらに当たります.

3・1 補助的な資料

 先述のとおり,小学校でプログラミングが指導内容に含まれるようになったのは平成29年(2017年)3月に告示された小学校学習指導要領からです.こうした新規内容が登場する際には,文部科学省から補助的な資料が公開されることもあります.「小学校プログラミング教育の手引」 もその一つです.
 高等学校教科「情報」についても文部科学省からさまざまな資料が提供されています.高等学校情報科に関する特設ページ には,先生方の授業づくりを支援する実践事例や専門家によるデモを含む講演動画だけでなく,生徒が視聴できる動画も提供されています.
 学校内での生成AI活用に関しては「学校現場における生成AIの利用について」 が示されています.

4. 教科書

 授業で使用される教科用図書(教科書) は,民間が出版するものです.学習指導要領が改訂されれば,それに合わせて学習指導要領解説が改訂され,教科書も改訂されます.教科書は,検定 を経て適切性が認められたものだけが使用されます*2
 教科書が満たすべきこと は非常に多いため,検定を受けて指摘された点の修正を完了するまでに約1年かかることも珍しくありません.検定を通過した各社の教科書は,各学校や教育委員会に見本として配付されます.高等学校は,各学校がどの教科書を採択するかを決めることが多いです.一方,小・中学校は,市町村教育委員会や学区内での検討会などを通じて採択する教科書を決めることが多いです.
 高等学校教科「情報」の教科書の種類は,(一社)教科書協会 が参考になります.小・中学校をはじめとする義務教育における教科書は,国が購入し児童生徒には無償給与されますが,高等学校の教科書は指定されたものを個人が購入します.副読本やドリルといった教科書以外の教材を使用することもあります.なお,教科書と合わせて販売されることが多い教師用指導資料が,先生の資料として活用される場合があります.
 本稿執筆時点では,学校では紙の教科書を使用することになっており,デジタル教科書 は補助的に使用されています.ただし,次の小学校学習指導要領の全面実施開始時期(2030年度頃が見込まれる)からの使用開始も視野に,紙だけでなくデジタルも取り入れた教科書制度の検討が進められています(デジタル教科書の発行・採択など).いずれにしても,紙かデジタルか,という二項対立の図式に収まる話ではありません.特にデジタル教科書が有するスクリーンリーダや翻訳機能などが「誰一人取り残さない教育」の実現を推進することに疑問を挟む余地はありません*3
 なお,2022年度時点では,後述する共通必履修科目「情報Ⅰ」の教科書は,6社から13種類が発行されています.内容は,教科書ごとに異なる特色が見られます.情報教育に関していえば,プログラミング分野に関して教科書での取扱い内容を比較した論文 もあります.

*2 公平を期するために,社名や書名が掲載されていない申請図書が検定の対象となります.
*3 超教育協会が発信したデジタル教科書に対する見解も参考になります.https://lot.or.jp/report/16546/

5. 教科「情報」

 高等学校教科「情報」と一口にいっても,実は,共通教科「情報」と,専門教科「情報」の2種類の教科があります.共通教科「情報」は,普通科を中心とした学校で開設されているもので,科目は「情報Ⅰ」と「情報Ⅱ」です.専門教科「情報」は専門教育を行う高等学校で開設されており,本稿執筆時点で科目は12種類あります.

5・1 共通教科「情報」

 共通教科「情報」は,2003年度から高等学校で指導されてきました.教科「情報」ができた当初は「情報A」,「情報B」,「情報C」という三つの科目のうちいずれかを履修する形式でした(高等学校学習指導要領(平成11年(1999年)3月告示)).その後,学習指導要領の改訂を経て,2013年度からは「情報の科学」,「社会と情報」の二つの科目のうちいずれか一つを選択して履修する形式となりました(高等学校学習指導要領(平成21年(2009年)3月告示)).二つの科目の大きな違いとして「情報の科学」ではプログラミングが内容に含まれていましたが,「社会と情報」には含まれていませんでした.学校ではこれら二つの科目のどちらかが開設されていましたが,教科書需給数で換算 すると,「情報の科学」で学んだ生徒は全体の17.5%であり,残りの82.5%が「社会と情報」で学んでいました.
 さらに次の学習指導要領では,教科「情報」についていっそうの見直しが行われ,2022年度からは「情報Ⅰ」という必履修科目を通じて生徒達が情報を学んでいます.「情報Ⅰ」にはプログラミングが含まれており,原則としてすべての学科の高校生が学ぶ必履修科目として初めてプログラミングが位置付けられたといえます.「情報Ⅰ」は,情報社会の問題解決,コミュニケーションと情報デザイン,コンピュータとプログラミング,情報通信ネットワークとデータの活用,という四つの内容で構成されています.特徴的なのは,問題発見・解決を推進する手段として情報技術が位置付けられていることです.「情報Ⅰ」の学習指導要領をご覧いただくと「情報教育はオフィスソフトの操作方法を身につけるための教育ではない」ことを実感していただけるのではないかと思います.
 プログラミングの授業時数の内訳は学習指導要領で定められていませんが,実態としては,6~10回程度といわれています.これは,「情報Ⅰ」が2単位であることを反映しています.1単位時間は50分,35単位時間の授業が1単位ですから,「情報Ⅰ」全体では70時間かけられますが,ここには試験時間なども含まれます(単位時間については高等学校学習指導要領(平成30年(2018年)告示) の「第1章 総則」,科目の内容については高等学校学習指導要領の「第2章 各学科に共通する各教科」の「第10節 情報」).
 なお,2023年度からは選択科目として,一部の高等学校では「情報Ⅱ」も開設されています.「情報Ⅱ」は「情報Ⅰ」を発展させたものであり,情報社会の進展と情報技術,コミュニケーションとコンテンツ,情報とデータサイエンス,情報システムとプログラミング,情報と情報技術を活用した問題発見・解決の探究,という五つの内容から構成されています.
 高等学校への「情報Ⅱ」をはじめとする科目の開設などを促すために,「DXハイスクール」と呼ばれる文部科学省からの高等学校向け補助金があります.また,このDXハイスクールによる情報教育のいっそうの充実を推進するために,文部科学省の事業として「高等学校DX加速化推進事業における伴走支援及び成果検証に関する調査研究事業」も実施されました.この伴走支援事業には,情報処理学会の助言者が多数協力 しています.

5・2 専門教科「情報」

 専門教育を行う高等学校(専門高校 と呼ばれています)のうち,専門学科情報科では,専門教科「情報」を学びます.専門教科「情報」は,共通教科「情報」の専門性をさらに高めたものです.その科目には「情報システムのプログラミング」「情報セキュリティ」などがあります.専門教科「情報」を学ぶことができる学校は限られており,本稿執筆時点では全国で24校 が確認されています.専門教科「情報」を学んでいる生徒の多くは,共通必履修科目である「情報Ⅰ」の代替科目として「情報産業と社会」という科目を学んでいます(内容については高等学校学習指導要領(平成30年(2018年)告示) の「第3章 主として専門学科において開設される各教科」の「第7節 情報」をご参照ください).専門高校では卒業までの間に,専門学科の科目を25単位以上履修することになっています.
 なお,専門高校は,情報のほかに工業,商業,農業といった学科があります.専門学科情報科のほかにも,工業科や商業科などをはじめとして,情報に関することを多く学ぶことができる学科が設置されていることもあります.また,高等学校普通科を中心に開設されている必履修科目「総合的な探究の時間」は,専門高校では「課題研究」で代替されることが多いです.「課題研究」では,生徒自身が課題を設定し,その課題を解くために,生徒がそれまでに学んできた専門的な知識・技術や問題解決の方法などを総動員する学習場面が設定されることが多いです.「課題研究」は高校生活の集大成として3年次に置かれることが多いですが,近年では1~2年生から探究的な学習を推進する目的での授業が新設される動きもあります(例として,静岡県立浜松工業高等学校 の「課研開発」).

6. 教科「理数」や学校設定教科・科目

 上述した教科「情報」以外にも,情報に関する内容が取り扱われる場合があります.例えば,理数科にて学ぶことができる教科「理数」では,探究的な学習の過程において「コンピュータや情報通信ネットワークなどを積極的かつ適切に活用すること」(高等学校学習指導要領(平成30年(2018年)告示) より抜粋)とされています.また,学習指導要領に定められている教科・科目のほかにも,学校設定教科・科目として,学校独自に設定することができる教科・科目で情報に関する内容が取り扱われることもあります.学校設定教科・科目は多様なため,本稿では省略します.

7. 探究

 先述のとおり,共通教科「情報」と専門教科「情報」のいずれにおいても,生徒が主体となって問題発見・解決を行うこと,すなわち探究学習が重視されています.これは「総合的な探究の時間」でも同様です.生徒が主体となって学びに向かうことで,生徒自身が自分の興味関心と向き合ったり,情報の調べ方を工夫したり,調査結果を統計処理したりといったことの学習が促されることが,探究学習の強みです.授業で知識や技術を伝達する方式は,その知識や技術を生徒自身が活用できるようになることを促すうえで限界があります.このため,現実の問題発見・解決場面で生きて働くような知識や技術を生徒が学び取ることができるように,つまり転移しやすい学習 の機会を提供しているのが,探究学習です.
 こうした問題発見・解決の成果を対外的に発表することも盛んになってきました.これを受けて,高校生をはじめとする生徒が発表する場としてのコンテストが数多く開催されるようになってきました.さらに,コンテストでの実績を踏まえて総合型選抜などの大学入試に臨む例も見られるようになってきました.
 一方で,探究学習の指導においてはさまざまな工夫が求められるようになってきました.文部科学省からは解説資料 が提供されており,指導の参考になります.探究学習が研究の様相を示してきたことにより,近年ではこのほかにも,研究倫理の指導が求められるようになってきました.個人情報やプライバシの保護といった被調査者への倫理的な配慮を行うことはもちろん,調査を行うこと自体が被調査者にとって負担になることを指す「調査公害」を引き起こさないように配慮することや,研究費提供元あるいは研究への助言者といったことがらについての利益相反の宣言,類似した内容を異なる対外発表先で複数回発表する二重投稿を避けることなど,これからいっそうの指導が求められるであろうことにはさまざまなものがあります.高校生向けの教材 も公開されていますので,活用したいものです.
 倫理面を含めて,どのようなルールで運営されているのかについては,コンテストによって異なります.自分の強みが生かされやすいルールになっているコンテストを選ぶのは自然なことです.また,大学教員の立場に立てば,大学入試で受験生のコンテストでの成果を参照する場合は,そのコンテストのルールも含めて確認するのも自然なことです.コンテスト自体がメッセージ性をもっていることに対して,生徒自身が自覚的になることが求められているのかもしれません.

8. 生成AIの活用

 生徒が主体となって学ぶことができる探究では,生徒がまだ知らないことやできないことを指導してくれる存在が有益です.その意味で,生成AIは期待されています.学校での生成AI活用について文部科学省から「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0)」が示されています.また前述のとおり「学校現場における生成AIの利用について」も示されていることから,学校内での生成AI活用の可能性が想定されています.
 ただし,生成AIの使い方次第では,探究学習における学習者が経験すべきトレーニングの機会が失われることや,「答え」が簡単に手に入ることで学習者に(空虚な)自信が生まれることなどの弊害(豊福晋平先生によるまとめ)も考えられます.したがって学校は,生成AIの好ましい活用について指導することも期待されつつあります.
 文部科学省の指定校である「リーディングDXスクール生成AIパイロット校」には,生徒が先進的な学習活動に取り組むことができるように生成AIの活用方法について研究している学校があります.例えば,山形県立酒田光陵高等学校での「情報Ⅱ」の授業 では,情報システムの設計において生成AIを活用することで,プログラムをつくり上げるための活動を縮小し,システム設計に求められる要件定義などの項目を学習する活動を拡大するといった事例が示されています.公立中学校での活用事例もあります.相模原市立中野中学校 では,先生が生徒に引き起こしたい活動をイメージしながら生成AIにあらかじめ指示を出しておき,生徒はその生成AIとの対話を通じて自らの考えを深める事例が示されました.生成AIとの対話が生徒どうしでの対話活動の質をいっそう高めたことも興味深いポイントです.

9. まとめに代えて

 本稿執筆時点では,学習指導要領の改訂に向けた議論が進められているところですが,混乱を避けるために本稿では現行学習指導要領に沿った説明をしました.次期学習指導要領では,小学校では「総合的な学習の時間」に新たに「情報の領域」が含まれること,中学校の「技術・家庭」の技術分野が「情報・技術科」として新たなスタートを切ること,高等学校では大学の「数理・データサイエンス・AI教育」リテラシーレベルに相当し得る内容を学ぶこと,そのために教科「数学」でも統計や行列の内容について充実化が図られること,などの方向性について議論が進められています.大学によっては教科「情報」を入試で課すところも増えてきており*4,短期間の間に情報教育の在り方は変化しています.
 情報技術の進歩が速いからこそ,情報教育の在り方も急ピッチで見直し続けることが求められます.ただし,その学び方は,上述した探究に象徴されるとおり,学んだことが活用できるように,知識や技術を伝達される方法やドリルを繰り返し解く方法とは異なる様相を見せています.学校での情報教育はどうあるべきかに関する議論は今後も注目されると思います.その議論をより良い形で進めるためには,多様な学習者の多様な学習プロセスに対する深い理解に裏打ちされた技術観をもつ方が,一人でも多く議論に加わってくださることが重要だと考えられます.情報教育に興味をもってくださった方は,社会人向けにまとめられたすべての人に「情報Ⅰ」の内容を!という提言もご参考にしていただけると思います.また,小学校から大学まで一貫した情報教育課程の在り方については「情報教育課程の設計指針 第2版」が参考になります.

*4 note記事 教科「情報」の入学試験問題って?をご覧ください.

10. 謝辞

 貴重な機会を与えてくださった本学会誌編集委員会に心より感謝申し上げます.