論文特集「知的対話システム」
(2017年6月6日投稿締切(延期しました), 2018年1月号掲載予定)
■特集趣旨
対話システムの研究は,音声情報処理,自然言語処理,ヒューマンコンピュータインタラクション,ロボット工学など,さまざまな分野の境界に位置しているため,これらの分野の連携が重要です.そこで,各分野の研究者が,意見交換を行う場として,ここ数年いくつかの試みが行われてきました.本学会全国大会では,2011年より,対話システムに関する複数の分野の課題を共有する目的でオーガナイズドセッション「知的対話システム」が企画され,全体討論を含む,活発な意見交換が行われています.また,2010年度より,本学会言語・音声理解と対話処理研究会(SIG-SLUD)が,「対話システムシンポジウム」を毎年開催しています.そして,このような活動の成果の一つとして論文特集「知的対話システム」が,これまでに2度(2014. vol.29, no.1,2016.vol. 31, no. 1),本学会論文誌に掲載されています.
本特集号は,論文特集「知的対話システム」の第三弾として企画したものです.近年,チャットボットや会話ロボットへの注目の高まりに伴い,以前にも増して対話システムに注目が集まっています.オーガナイズドセッション「知的対話システム」および「対話システムシンポジウム」への参加者も大幅に増えている状況です.本特集号は,今まさに発展している知的対話システムの分野の研究成果をまとめる場となることを目的とし,これにより,本分野をさらに活性化させることを目指します.
本特集号では,これまでに行われてきた研究集会での成果も含め,さまざまな対話システムの最新の成果に関する論文を募集します.対象とする論文内容として,理論的研究から実証的研究,応用システムの開発まで,対話システムに関するさまざまなレベルの研究を募集します.
- 実践AI論文を積極的に募集します.実ユーザを対象とした対話システムや,対話システムを実社会に導入した結果の分析など,対話システムが広く社会に普及するうえで重要な知見を含む論文を歓迎します.
- 対話データに対して何らかの手法を適用し,その結果に対してエラー分析を行った論文,対話データに付与されたアノテーションについて分析し,アノテーション手法の問題点の指摘や新たなアノテーション方法について提案を行う論文を歓迎します.分析を主眼とした論文については,技術的な新規性に乏しくとも,分析に基づく有用な知見や議論,分類体系や方法論の提案があれば,分野の発展に寄与する貢献として評価します.
- 対話システム研究の特殊性に鑑み,提案手法の有効性を,定量的評価以外の手段で示した研究も歓迎します.
本特集号の範疇として,以下のようなテーマが考えられますが,これに限らず,対話システム研究の発展に寄与する意欲的な論文を広く募ります.
・音声対話システム | ・対話的情報検索 |
・音声エージェント | ・対話コンテンツ構築支援 |
・テキスト対話システム | ・Web・SNSを利用した対話システム |
・マルチモーダル対話システム | ・対話システムにおける知識獲得 |
・ロボット対話 | ・非タスク指向対話(雑談対話)システム |
・対話管理 | ・対話破綻検出 |
・言語理解・意図理解 | ・対話システムにおける深層学習の適用 |
・言語生成・マルチモーダル応答生成 | ・モバイルデバイスにおける対話システム |
・発話プランニング | ・対話システムを実際に運用した結果の分析 |
・対話システムにおけるエラー処理 | ・対話データアノテーションの分析 |
■本特集号のスケジュール
論文誌特集号投稿締切: 平成29年6月6日(火) (延期しました)
論文誌最終採録通知: 平成29年10月末(予定)
論文誌特集号発行: 平成30年1月号(予定)
■論文送付/照会先:
岡田 将吾(北陸先端科学技術大学院大学)
okada-s@jaist.ac.jp
(メールの件名に[知的対話システム論文特集]と必ず明記してください.)
※副編集委員長の所属変更に伴い,以前の案内からメールアドレスが変更されています.ご注意ください!
■投稿論文の形式
- 論文執筆,投稿に当たっては,原稿執筆案内(*1)を熟読ください.原則,人工知能学会TeXスタイルファイルでの投稿になりますが,wordをご希望の方は事務局まで別途問い合わせてください.
- 採録の決定が本特集号の採録期日に間に合わなかった論文は,一般論文として扱われることがあります.
- 論文投稿の際は,論文のカテゴリー名を明記してください.カテゴリー名およびそれらの査読基準については(*1)を参照ください.
- 本論文特集において採録となった論文は,英語論文として英文ジャーナル(NGC)に投稿することも可能です.詳細はメール末尾を参照ください.また,より詳しい情報が必要な方は事務局までお問い合わせください.
(*1) https://www.ai-gakkai.or.jp/published_books/transactions_of_jsai/
■編集委員会構成
- 編集委員長: 東中 竜一郎(NTT)・副編集委員長: 岡田 将吾(北陸先端科学技術大学院大学)
- 編集幹事: 船越 孝太郎(HRI-JP,京都大学),藤江 真也(千葉工業大学)
- 編集委員: 荒木 雅弘(京都工芸繊維大学),石井 亮(NTT),稲葉 通将(広島市立大学),桂田 浩一(東京理科大学),駒谷 和範(大阪大学),黄 宏軒(立命館大学),颯々野 学(ヤフー株式会社),堂坂 浩二(秋田県立大学),徳久 良子(豊田中央研究所),中野 幹生(HRI-JP),林 佑樹(大阪府立大学),平山 高嗣(名古屋大学),坊農 真弓(国立情報学研究所),松原 茂樹(名古屋大学),翠 輝久(HRI-US),南 泰浩(電気通信大学),吉野 幸一郎(奈良先端科学技術大学院大学),李 晃伸(名古屋工業大学)
* NGC (New Generation Computing) 誌連携による英語論文化の選択肢について
研究業績における英語論文の価値が高まっています。人工知能学会論文誌は、査読をパスした特集論文を対象に、最終的には英語化して New Generation Computing 誌にて刊行する選択肢を用意しています。
この連携制度では、人工知能学会で通常通りの査読を経て受理された後、著者が希望すれば著者による英語版をNGC編集部へ渡し、人工知能学会誌による受理を考慮した上でNGC誌が追加の査読を行います。NGC誌が受理すれば、英語論文がNGC誌で正式版として刊行され、日本語版原稿は人工知能学会がAI書庫で公開します。仮にNGC誌では受理されなかった場合でも、論文は人工知能学会論文誌で刊行されます。
著者にとっては、以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット
- 採録レベルの判定までは日本語で通常通りの査読プロセスを経た上で、判定後に安心して英訳を行い英語論文としての業績化にチャレンジできる
- 英文誌での公開により、より多くの人に読まれ、参照される
- 日本語版の公開により、より多くの日本人に読まれ、議論が深まる
デメリット
- NGCで刊行された場合、人工知能学会論文賞の対象から外れる
なお、NGC誌のスコープは人工知能学会論文誌のスコープと重なっていますが、完全に一致しているわけではありません。明らかにNGC誌のスコープ外だと編集委員会が判断した場合には、本制度の対象外となる場合があります。