主催: | (社)人工知能学会 |
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日時: | 2012年10月23日(火) 13:00-17:30 |
会場: | 京都大学東京オフィス (〒108-6027 東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟27階) |
照会先: | account@ai-gakkai.or.jp |
定員: | 45名 (定員になり次第,締め切らせていただきます) |
参加費: | 正会員 5,000円 (賛助会員の社員の方も含みます) 学生会員 2,000円,非会員 10,000円,学生非会員 4,000円 |
概要
私たちの身の回りに溢れる膨大な量の情報を有効に利用するための手法の確立は,情報科学,人工知能研究分野においてホットな課題の一つであり,「情報爆発」「ビックデータ」などといったテーマに多くの研究資源が投入されている.その一方,それらのデータを利用する側である一般のユーザは,これらの大量データとどのように向き合えば良いのだろうか.例えば,大量のデータが提示されるような環境にいると,本来ならば遮断しておきたい情報に思わず触れてしまうといったいわゆる「ネタバレ」という状況が頻繁に発生してしまうであろう.
そこで本セミナーでは,ユーザにとってはあえて触れたくない情報が確実に存在するというスタンスから,ユーザにとって認知的負荷のない情報環境を「情報の曖昧化」という考え方から考察する.具体的には,現在使用されている情報フィルタリング手法との差異について,大量のデータを提示された際のユーザの認知的なプロセスとは,自然言語処理などの既存技術との関連,そして情報の曖昧化に関する具体的研究例の紹介によって本セミナーを構成する.
プログラム
13:00-13:45 「ネタバレ防止のための情報曖昧化技術」
中村聡史(京都大学)
概要: 人々が非同期でコンテンツを楽しみ発信しているこの時代,そのコンテンツを楽しんでいない人にとって,世の中はネタバレ情報で溢れていると言えます. そこで本講演では,まず具体的にどのような問題があるのかを整理し,ネタバレ防止においては適合性よりも再現性を重視しなければならないというその特徴についてまとめます.そのうえで,インタフェースの工夫により情報を曖昧化する具体的な手法についてデモを交えて説明します. 最後に,ネタバレ防止に関して取り組むべき難しい問題について紹介します.
13:45-14:30 「情報の氾濫とユーザの認知的特性」
小松孝徳(信州大学)
概要: 私たちは視覚,聴覚,嗅覚,触覚など様々なセンサから様々な入力情報を受け取りながら,それらを「適当に」取捨選択することで日々の日常生活を送っており,そのような「適当さ」こそが人間の認知的能力の大きな特徴と言えるでしょう.
そこで本講演では,人間が入力情報をどのように処理しているのか,特に情報化が急速に進む現代社会において,私たちがそれらの膨大な情報をどのように処理しているのかについて具体的事例を交えながら認知科学的に解説を行います.
14:30-14:40 休憩
14:40-15:25 「自然言語処理技術による文書自動要約の基礎と応用可能性」
高村大也(東京工業大学)
概要:大量の文書を,その内容を保存しつつ短くする技術として,自然言語処理における文書自動要約がある.そのための基礎的な技術を概観すると同時に,最新の研究動向についても紹介する. 特に,内容を保存するだけでなく,文書に含まれる情報のある側面を強調する技術についても言及し,情報の曖昧化における文書要約の可能性を探る.
15:25-16:10 「Web上の不均一な文章を対象としたフィルタリング技術」
土方嘉徳(大阪大学)
概要:ブログや掲示板,ユーザレビュー,ツイートなど,Web上にはエンドユーザが書いた文章が多く存在する.これらの文章には,ユーザの本音や感想が書かれており,時に有用である.しかし,これらの文章は,長さ,内容,質,信頼性などにおいて,多様で不均一と言える.その不均一性ゆえ,ユーザの情報獲得に払うコスト(労力)は非常に大きいものとなっている.
本講演では,不均一な文章からユーザの知りたい情報や知識だけをフィルタリングする技術について紹介する.特に,フィルタリングの観点として, (i) 大量のどうでも良い文章から価値のある知識を発見する方向性, (ii)完成度の高いコンテンツからなるべく文脈を壊さずに有害箇所を削除する方向性, (iii)大量に存在するよく似た文章からまとめを生成する方向性, (iv)情報の獲得を文書や文ではなく人で判断する方向性, の4つを挙げ,それぞれの方向性に対応するフィルタリング技術について紹介する.
16:20-17:30 パネルディスカッション
18:00- 会場外にて懇親会(会場未定)
第65回人工知能セミナー 参加申し込み
定員に達しましたので、参加申込みを締め切りました
人工知能セミナー参加費 | |||
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正会員・賛助会員 | 学生会員 | 学生非会員 | 非会員 |
5,000円 | 2,000円 | 4,000円 | 10,000円 |