第60回 人工知能セミナー(2010.3.2)データ生成モデルを活用するデータマイニング技術


主催: (社)人工知能学会
日時: 2010年3月2日(火) 10:00-16:00
会場: キャンパスイノベーションセンタ(東京田町)2F 多目的室2
照会先: account@ai-gakkai.or.jp
定員: 50名 (定員になり次第締め切らせていただきます)
参加費: 会員 7,500円 (賛助会員の社員の方も含みます)
非会員 15,000円,学生会員 2,000円,学生非会員 5,000円

概要

 本セミナーでは,データに基づく推論やシミュレーション,音響情報処理,画像処理の各分野において実践的に研究開発に携わっている第一線の専門家をお招きし,最新の研究成果・事例を紹介して頂くとともに,その基礎理論・技術について分かりやすく解説して頂きます.

プログラム

10:00-11:15 変数依存性モデルに基づくデータマイニング

鷲尾 隆 (大阪大学産業科学研究所)

概要:多数の変数を容易に測ることができる時代となり,どの変数がどの変数を決定してデータが生成されたかを体系的に把握して対象を理解したい,というニーズが高まっている.この目的には,長い歴史を持つグラフィカルモデル,時系列モデルなど技術が使われているが,近年,新たな技術展開の時代を迎えている.ここでは,これら技術の基本的枠組みを解説した上で,モデルを通じて変数関係を把握するための最新技術を紹介する.さらにこれら最新技術を用いた具体的解析例を解説し,データ生成モデルを用いるデータマイニングの可能性を紹介する.


11:15-12:30 シミュレーションを能動的に用いたデータマイニング

樋口知之(統計数理研究所)

概要:既存の知識とデータを適切に組み合わせる体系的な枠組みについて触れ,シミュレーションとデータを融合する技術であるデータ同化手法を解説する.特に,プログラム開発の効率性と予測システム構築の平易性から優れたオンライン型のデータ同化法である,逐次データ同化法に焦点をあてる.逐次ベイズフィルタの基礎や,逐次データ同化法の基盤的アルゴリズムであるアンサンブルカルマンフィルタと粒子フィルタの概説を行う.あわせて,データ同化手法を能動的に活用することで,シミュレーションの”つぼ”を探る方策に具体例を交えて示す.


12:30-13:30 昼食休憩


13:30-14:45 スパース表現に基づく音響信号のモデル化と分析

亀岡弘和(日本電信電話株式会社(NTT) コミュニケーション科学基礎研究所)

概要:実世界の音源から生成される音響信号は一見すると多様な波形として観測されるが,例えば,人の声には/a/や/i/等といった音素単位の要素があり,ピアノの演奏には音階単位の要素があるように,ある空間や量に着目すると限られた数の基本要素だけで構成されていると見ることができる. 本講演では,事前には未知な信号の基本要素を自律的に学習するスパース表現と呼ぶアプローチにより,このような仮定をもとに分析を行う,新しい音響信号処理の枠組を解説した上で,複素NMFと複合自己回帰分析法と呼ぶ上記の考え方をベースとした2つの信号解析法の原理と応用例を紹介する.


14:45-16:00 グラフカーネルとその画像識別への応用

松井知子(統計数理研究所)

概要:近年,画像,テキスト,音声,音楽などのいろいろなデータの識別・回帰問題において,カーネルマシンが有効に用いられている.カーネルマシンの代表的なものとして,サポートベクターマシンやカーネルロジスティック回帰マシンが挙げられる.それらのマシンではカーネル関数の設定により,ベクトルデータのみならず,グラフや木データを対象とすることができる.本講演では,グラフデータを対象とするカーネル関数,グラフカーネルについて概説する.その画像識別への応用例として,歩道に基づくグラフカーネルを用いて,画像に含まれる”車”や”花”などの概念を識別する方法を紹介する.


第60回人工知能セミナー 参加申し込み

定員に達しましたので、参加申込みを締め切りました

人工知能セミナー参加費
正会員・賛助会員 学生会員 学生非会員 非会員
7,500円 2,000円 5,000円 15,000円