第53回 人工知能学会(2006.11.13) ベイジアンネットの統計的学習と確率推論の最新動向


主催: (社)人工知能学会
日時: 2006年11月13日(月) 10:30-16:25
会場: 慶應義塾大学・日吉キャンパス・来往舎・シンポジウムスペース
照会先: account@ai-gakkai.or.jp
定員: 120名定員に達しましたので、参加申込みを締め切りました
参加費: 会員 7,500円(賛助会員の社員の方も含みます)
非会員 11,500円,学生会員 2,000円,学生非会員 3,000円
注)会員参加費は不課税です.非会員参加費は税込み価格で表示してあります.

概要

 人工知能学会基本問題研究会では,2001年のチュートリアル(BN2001)を皮切りに,ベイジアンネットセミナーBN2002,BN2003,BN2004,昨年度は研究会の特集企画としてBN2005を主催してきました.こうした地道な啓蒙活動の甲斐もあり,2000年時点では日本に限っては非常に少なかったベイジアンネット研究も2006年の人工知能学会全国大会では複数の発表が見られるなど,ようやく日本国内でも着実に根付いてきた感があります.また実応用に目を向けると携帯電話における情報サービス,カーナビ,アンケート分析,顧客情報管理においてベイジアンネットが新たな情報技術として大いに期待され,企業では具体的な成果も見え始めています.
 本セミナーでは,人工知能分野で生まれ成長してきたベイジアンネットの背景・歴史から,現在の知的情報システムにおける有効性や位置づけを概観するとともに,企業における先端的研究の中で活用されているベイジアンネットや,応用事例について,各分野を牽引している代表的な方々から講演を頂きます.本セミナーが,人工知能技術としてのベイジアンネットと,それがもたらす知的情報システムとしての将来展望を一貫して眺望することにより,人工知能研究の基礎と応用の橋渡しや,研究・教育の進展に貢献できれば幸いです.多数の皆様のご聴講と参加をお待ちしています.

プログラム


10:30-11:20 人工知能におけるベイジアンネット研究

佐藤 泰介 (東京工業大学)

概要:ベイジアンネットワークはそれ自体は確率分布を表す有向グラフであるが、 もともとは人工知能に於ける確率的知識を表す表現言語として構想された。 その後確率計算や学習の方法が確立すると再度表現言語への関心が 高まり、KBMCアプローチを通じて関係概念を取り込む方向への研究が 進展しつつある。


11:25-12:15 ベイジアンネットワーク技術:顧客・ユーザのモデリング

本村 陽一(産業技術総合研究所)

概要: ベイジアンネットワークは大量のデータからモデルを構築し、そのモデル の上で確率推論を実行することにより、不確実な対象に対する予測や制御 を行えることが特長である。様々なセンサや大量情報が扱えるようになった 現在において、この特長を活用し、ユーザや顧客など人間の行動の予測と人 間をその中心に含んだ全体系の最適制御が有望な技術として期待されている。 このベイジアンネットワークの利用技術とその位置付けについての概要を述べる。


12:15-14:00 Lunch & ベイジアンネットソフトウェアデモ


14:00-14:45 ドライバー適応型カーナビゲーション

岩崎 弘利(デンソーアイティラボラトリ)

概要: 近年、カーナビゲーションシステム(以下、カーナビ)に代表される車載情報 機器において、多くのコンテンツを取得できるようになってきた。しかし、操 作性、安全性の面で、運転中に希望するコンテンツの自由な検索、絞込みをす ることは困難である。この解決に、機器側がユーザのおかれている状況を考慮 して、嗜好に適応したコンテンツを推薦する方法が考えられる。そこで本講演 では、ベイジアンネットにより、車においてユーザに適応するコンテンツ推薦 システム(ユーザ適応カーナビ)を実現した結果を示す。


14:50-15:35 コンテンツ推奨と個人適応型携帯電話サービス

小野 智弘(KDDI研究所)

概要: これまでにさまざまな情報からユーザの好みそうな商品を予測し、提案する コンテンツ推薦技術の研究が行われており、同機能を備えたWWW上の ショッピングサイトも増えている。近年では特にユーザが常に持ち歩く携帯電話 からのWWWアクセスも増大しており、ここではユーザの状況に即し・かつ画 面サイズの制約から厳選した内容を推薦することが期待される。本講演では、 既存の推薦技術を概観し、携帯ユーザを意識したベイジアンネットによる映画 嗜好モデルの構築事例、および映画推薦システムの開発事例を述べる。また、 映画嗜好モデルの推薦システム以外への適用事例を述べる。


15:40-16:25 1万人アンケートの分析と金融アプリケーション

田中 隆博(野村総合研究所)

概要: 1万人の消費者を対象に行った行動調査アンケートの結果をもとに、 ベイジアンネットワークを用いて、消費者の金融商品選択のプロセスを分析する。 とりわけ、消費者のライフスタイルの個性化が進む昨今、デモグラフィック属性 のみでは消費者全体を適切にセグメント化することが困難であると考え、消費者 の信条を取り入れた新しい顧客セグメンテーションなどへの活用方法などを紹介する。


第53回人工知能セミナー 参加申し込み受付終了

定員に達しましたので、参加申込みを締め切りました

人工知能セミナー参加費
正会員・賛助会員 学生会員 学生非会員 非会員
7,500円 2,000円 3,000円 115,000円