第49回 人工知能学会(2005.12.8)HAI:ヒューマンエージェントインタラクション -人のよきパートナーとしてのエージェントを設計する-


主催: (社)人工知能学会
日時: 2005年12月8日(木) 10:00-16:30
会場: 慶應義塾大学・日吉キャンパス・来往舎・シンポジウムスペース
照会先: account@ai-gakkai.or.jp
定員: 120名定員に達しましたので、参加申込みを締め切りました
参加費: 会員 7,500円(賛助会員の社員の方も含みます)
非会員 11,500円,学生会員 2,000円,学生非会員 3,000円

概要

 近年,擬人化エージェントを利用したユーザインタフェースがさまざまな分野 で利用されるなど,エージェントが身近な存在になってきました.そして,エー ジェントやロボットが人間と協力して作業を実行したり,それらを介して人間 同士がコミュニケーションを行うといった状況が現実味を帯びたものになって きています.これに伴い,エージェントやロボットと人間とのインタラクショ ンに関するHAI(Human-Agent Interaction)研究が盛んに行われ始めています.
 本セミナーでは,「HAI:ヒューマンエージェントインタラクション – 人のよきパートナーとしてのエージェントを設計する -」と題して, 人工知能,ロボティクス,認知科学など,HAI研究に関わる様々な分野における 最先端の研究成果について,関連分野の第一線で活躍されている講師の方々から ご講演いただきます.
 本セミナーが,多角的にHAIを捕らえるための議論の場となり,研究の進展に貢献できれば幸いです.多数の皆様のご聴講と参加をお待ちしています.

プログラム


10:00-10:05 挨拶


10:05-11:05 HAI:ヒューマンエージェントインタラクション概論

山田誠二(国立情報学研究所)

概要: 人間とソフトウエアエージェント,ロボット間,そしてエージェントに支援さ れる人間同士のインタラクションの設計を,人工知能,ロボティクス,認知科 学,心理学,社会学などの様々な分野の知見を基に行うのが,HAIである.本 講演では,HAIの目指すもの,それに必要な要素技術,そして応用について概 観し,新しい領域であるHAIの魅力をお伝えする.


11:05-12:05 人はロボットをパートナーとしてみなすのか?

今井倫太(慶應義塾大学)

概要: 一般の人間と直接接するコミュニケーションロボットが開発されロボットの展示会などのデモンストレーションで活躍している.しかし,実際に売られサービス展開をしているロボットはまだ数少ないのが現状である.本講演では,将来人間社会で人間のパートナーとしてロボットがコミュニケーションに必要となる要件を,人間のコミュニケーションの基礎原理から探る.特に,ロボットが人間に積極的に話しかける場合の現象について説明する.


12:05-13:15 昼食休憩


13:15-14:15 なぜ人はエージェントに対人的反応をしてしまうのか?

竹内勇剛(静岡大学)

概要: 擬人化エージェントはその外観が,人が対人的な反応を引き起こす要因となっていると考えるのが自然であるが,果たしてこのナイーブな解釈は正しいかをMedia Equationパラダイムに基づいた心理実験を通して検証し,エージェントとの身体的なインタラクションの重要性について述べる.さらに人が関わり合う対象を社会的な存在として捉える過程と,そのために必要な要件についても議論を発展させる.


14:15-15:15 マルチエージェントに基づくシミュレーション:理論と現実をつなぐかけ橋

高玉圭樹(東京工業大学)

概要: 本講演では,複数のエージェントが相互作用する社会シミュレーションに焦点を当て,社会科学の観点からその問題点と可能性について言及するとともに,そこでの知見から人のよきパートナーとしてのエージェント設計について展開する.具体的には,(1)相反する理論と現実の結果を導く条件と(2)妥当性について議論し,エージェント設計指針をまとめる.


15:15-15:30 休憩


15:30-16:30 HAI実現のための認知科学的アプローチ:共発達の構成論

植田一博(東京大学)

概要: NPO法人KGCは,研究プロジェクトのプロデュースにより,未来社会の多様性を高めることを目的としたシンクタンクであり,その活動を通じて,産学官を巻き込むことのできる「研究プロデューサー」の育成・輩出を行っている.今回は「研究プロデューサー」の育成・輩出の事例を紹介しつつ,研究者の多様なキャリアパスの可能性を提示する. 人間=人工物(ロボットやエージェント)間の円滑で自然なコミュニケーションをサポートするための基盤技術を確立するには,人間と人工物が相互に適応し合うという共発達の観点が必要不可欠であることを,本講演では主張する.人間との長期的なインタラクションを可能にするには,人工物の適応性が重要なことはすでに認識されていると考えられるが,人間は人工物以上に適応的なシステムである.そのため,人間が長期的に適応的な人工物と相対する状況では,人工物に対して人間が適応し,またそれに基づいて人工物の適応学習が変化するという相互適応の入れ子構造,すなわち共発達の過程を呈することが望ましいと予想される.本講演では,コミュニケーションにおいて根幹となっている記号的側面ではなく,ジェスチャや視線,音声に含まれる韻律情報等の非言語的側面に焦点を当てて,このような人工物,具体的には,人間とインタラクションしながら相手の適応を引き出しつつ,相手の発話を理解する学習エージェントの構築を行っている我々の研究プロジェクトを紹介する.


第49回人工知能セミナー 参加申し込み受付終了

定員に達しましたので、参加申込みを締め切りました

人工知能セミナー参加費
正会員・賛助会員 学生会員 学生非会員 非会員
7,500円 2,000円 3,000円 11,500円