第47回　人工知能学会(2005.1.20) コンピュータセキュリティとAI

10:00-11:00 AI技術のセキュリティへの応用の概要

岡田浩之 助教授（東海大学 理学部）

概要：米国における同時多発テロ以降，サイバーセキュリティ（電子情報セキュリティ） の重要性が叫ばれている．本講演ではエキスパートシステムなどの伝統的な技術にとどまらず，データマイニングなどの新しいAI技術が様々な場面で応用されてる現状を紹介する．さらに，セマンティックWeb技術を用いて，ユーザーの簡単な操作によって情報機器を連携動作させるタスクコンピューティングにおけるセキュリティの課題について紹介する．

11:00-12:00 AI技術を用いたプライバシー保護

沼尾雅之 氏（日本IBM 東京基礎研究所）

概要：個人情報の適切な保護は，ITシステムの設計，開発，運用に不可欠の要件になっている．本講演では，プライバシーの定義，個人情報利用技術と保護技術の関係などを概観し，AI技術を利用した保護技術の例として，プライバシーポリシーの表現とSQLアクセス制御，プライバシーを保護したデータマイニングなどについて解説する．

12:10-13:20 昼食休憩

13:20-14:20 データマイニングに基づくセキュリティ技術

山西健司 氏（NEC インターネットシステム研究所）

概要： 本講演では，データマイニングに基づく異常検出技術（外れ値検出，変化点検出，異常行動検出など）のセキュリティへの展開について紹介する．特に，未知のワーム検出，Dos攻撃検出，なりすまし検出等へのマイニング技術の応用を中心に紹介する．

14:20-15:20 SPAM検知技術とその応用

吉田健一 教授（筑波大学大学院 ビジネス科学研究科）

概要： 本講演では，頻出パターンの高速・オンライン抽出技術を用いたSPAM検知に関して概説した後，P2P検知・Virus検知・DDoS検知など，一般のセキュリティ問題への応用について解説する．

15:20-15:30 休憩

15:30-16:30 セキュリティとAI技術の融合の可能性

板倉征男 教授（情報セキュリティ大学院大学 情報セキュリティ研究科）

概要： ネット社会の発展とともに，情報セキュリティに関する技術的，法律的及び倫理的関心が日々高揚している．従来独自に研究されてきたAI技術は高い次元で情報セキュリティの課題と意図して連携することにより新たな展開とその応用の道が開かれる考えられる．本講演ではAI技術と情報セキュリティの接点と融合について広く解説する．