第43回 人工知能学会(2002.11.11)企業と電子コミュニティ -ネットワーク型組織を支える理論と技術を目指して-


主催: (社)人工知能学会
日時: 2002年11月11日(月)10:00~17:00
会場: 早稲田大学国際会議場 第1会議室(新宿区西早稲田1-6-1 Tel. 03-5286-1755)
照会先: account@ai-gakkai.or.jp
定員: 80名定員に達しましたので、参加申込みを締め切りました
協賛予定: (社)情報処理学会,(社)電子情報通信学会,(社)計測自動制御学会,
(社)日本機械学会,(社)精密工学会,(社)日本ロボット学会,
(社)自動車技術会,日本ソフトウェア科学会,(社)映像情報メディア学会,
組織学会,日本シミュレーション学会,経営情報学会,システム制御情報学会,
(社)日本オペレーションズ・リサーチ学会,日本認知科学会 (順不同)
参加費: 会員 9,800円(協賛学会員,助賛会員の社員の方も含みます.),
非会員 15,000円,学生会員 2,000円,学生非会員 3,000円

概要

 21世紀の企業は,知識労働者が主体になるといわれています.「NHKスペシャル変革の世紀」では崩れゆくピラミッド型組織の特集を放送し,新しい企業組織形態としてネットワーク型組織を紹介しています.企業にとって,従来の企業内組織を補完するものとして,またeCommerceなどを通じ顧客とダイレクトなネットワークを形成するものとして,インターネット・イントラネットを利用したネットワーク型組織である電子コミュニティを,ナレッジマネージメントや製品開発に活用することがますます重要になってきています.
 本セミナーでは,21世紀のネットワーク型組織を支える理論や技術のベースとなる以下の最新研究成果を紹介いただきます.人工知能研究者の西田講師および角講師に,研究のねらいから応用システムの事例まで,コミュニティと知識デザイン・知識創造との関係などご講演いただきます.また,「コミュニティアライアンス戦略」の著者である北山講師および「知識経営実践論」の編著者である妹尾講師には,実際のコミュニティのスタディを分析手法や知識経営といった観点から講演いただきます.さらに村本講師には,ビジネスとして実際に設計・運営しているコミュニティの事例を基に得られた知見や知識をご講演いただきます.
 本セミナーは,コミュニティウェアなどの人工知能や情報処理の研究者・技術者のみならず,ナレッジマネージメント等に関わる研究や実践をしている方々にも,研究・ビジネスの両面から多くの示唆を与えることができると思います.多数の皆様のご参加を心からお待ちしております.

プログラム


10:10~11:10「コミュニティ支援システムと会話型コンテンツ」

西田 豊明氏 (東京大学)

概要:社会知のデザインという枠のなかでコミュニティ支援システムを位置づけて,その狙いやこれまでの研究事例を紹介した後,会話型コンテンツ(知識や興味を会話というコミュニケーション様式のなかで伝えられるようにデザインされたコンテンツ)を用いてコミュニティに存在する知識や興味を循環させることによってコミュニティの知識アウェアネスと知識の共同構築を支援するシステムとその適用事例を紹介する.


11:10~12:10「コミュニティを計量する」

北山 聡氏 (東京経済大学)

概要:コミュニティにおけるコミュニケーションを社会ネットワーク分析を利用して,実際に分析する方法について紹介する.特にMLなどの非同期通信のログを対象とする.社会ネットワーク分析とは,関係構造をマトリクスとして表現し,マトリクスを分析することで構造を把握する手法である.またMLなどのシステム多くではスレッド構造を持つので,これをツリー構造とみなし分析を行う.これらの手法によってメーリングリストの特性をコミュニケーションのデータから比較でき,コミュニケーションネットワークの雰囲気といったものを定量化できる.実際のMLのデータを例にとり紹介したい.


12:10~13:00 昼食休憩


13:00~14:00「電子コミュニティにおける信念の表明」

妹尾 大氏 (東京工業大学)

概要: 知識経営(ナレッジマネジメント)のトピックとして,「組織の基本理念の可視化と浸透」が注目されている.組織の基本理念は,経営トップによってビジョンとして可視化され,組織の下部に伝達される,というのがこれまでの一般的な捉えられ方であった.しかし,個人の意識や就業スタイルの変化,または情報システムの進展などによって,基本理念の可視化と浸透の様相は大きく変化してきている.イントラネットを介したコミュニティにおいて,指示報告のやり取りだけではなく,個人の信念や部門の信念を表明する試みについて,製薬企業での事例を紹介し,「信念に基づく経営」の構想について述べる.


14:00~15:00「コミュニティの知識創造支援」

角 康之氏 (ATRメディア情報科学研究所)

概要: ATRで研究開発を行ってきたモバイルガイドシステムを例に,学会や博物館などのコミュニティ内の知識創造を支援するシステムを紹介する.本システムの特徴は,1) コミュニティメンバが実際に顔を合わす「場」の実世界コンテキストを重視し,コミュニティ内の知識流通を促進する情報サービスを提供することと,2) Web上のオンラインサービスと,上記の実空間サービスを統合利用することである.具体的には,PDAと遍在的なキオスク端末の連携によるユビキタスコンピューティング技術や,情報サービスの個人化を行うエージェント技術,また,コミュニティ情報をより使い易くするための情報可視化技術などを開発してきた.人工知能学会全国大会での試用実験結果などを交えながら,コミュニティの知識創造を支援するシステムを具体的に論じる.


15:15~16:15「オンラインコミュニティのビジネス活用とその構築事例」

村本 恵理子氏 (株式会社ガーラ)

概要:ガーラが96年より構築してきたコミュニティ事例のいくつかについてその目的,デザイン上の特徴,コミュニティ内のメンバーの行動特性各種コミュニケーションツールの果たす役割データ活用についてご紹介します.


16:15~17:00「全体討論」


第43回人工知能セミナー 参加申し込み受付終了

定員に達しましたので、参加申込みを締め切りました

人工知能セミナー参加費
正会員・賛助会員 学生会員 学生非会員 非会員
9,800円 2,000円 3,000円 15,000円