第42回 人工知能学会(2002.2.28)バイオインフォマティクスの世界


主催: (社)人工知能学会
日時: 2002年2月28日(木)10:30~17:00
会場: 機械振興会館 B3階 研修1会議室 (東京都港区芝公園3-5-8)
照会先: account@ai-gakkai.or.jp
定員: 120名定員に達しましたので、参加申込みを締め切りました
協賛予定: (社)情報処理学会,(社)電子情報通信学会,(社)計測自動制御学会,
(社)日本機械学会,(社)精密工学会,(社)日本ロボット学会,
(社)自動車技術会,日本ソフトウェア科学会,(社)映像情報メディア学会,
日本シミュレーション学会,経営情報学会,システム制御情報学会,
(社)日本オペレーションズ・リサーチ学会,日本認知科学会,
(社)電気学会,日本遺伝学会,日本バイオインフォマティクス学会,
生物物理学会(順不同)
参加費: 会員 9,800円(協賛学会員,助賛会員の社員の方も含みます.),
非会員 15,000円,学生会員 2,000円,学生非会員 3,000円

概要

 2000年6月のヒトゲノム概要解読の終了宣言,および2001年2月の概要解読データの公開を受けて,生命現象解明のための研究や,医療・創薬などの応用分野の研究開発が本格的に展開されてきています.この生命科学の新しい展開の中で,人工知能を含む高度情報処理を実現する技術の重要性はますます高まってきており,バイオインフォマティクスという新しい学問分野の研究開発が,急激な勢いで進展してきています.
 本セミナーでは,バイオインフォマティクス研究の最先端でご活躍中の方々を講師としてお招きし,バイオインフォマティクス研究の現状,ならびに人工知能を含む情報処理技術への期待などについて,ご講演頂きます.また,ベンチャー企業の設立者,および計算機メーカの研究者を講師としてお迎えし,バイオインフォマティクスビジネスの最新動向についてご講演頂きます.  このように,本セミナーは,21世紀のキーとなる学問分野であるバイオインフォマティクスの最先端の研究開発,および最新のビジネス動向を包括的に把握して頂ける内容となっております.また,これらの最新の技術・ビジネス動向は,バイオインフォマティクスに携わっている方々ばかりでなく,そうでない方々にも,研究・ビジネスの両面から多くの示唆を与えることができることと思います.多数の皆様のご参加を心よりお待ちしております.

プログラム


10:30~11:30「ゲノムデータからの知識発見とバイオパスウェイシミュレーション」

宮野 悟氏 (東京大学)

概要:生物をシステムとして捉え,遺伝子の制御情報,細胞,代謝系等についての生物・医学知識をシミュレーション可能な形で機構化することにより,遺伝子の機能などを予測することが重要になっている.本講演では,遺伝子発現プロフィールデータ等からパスウェイ情報などを推定する知識発見方式とバイオパスウェイシミュレーションをとおして細胞等のシミュレーションシステムを構築するための研究を紹介し,ソフトウェアライブラリHypothesisCreator (http://www.HypothesisCreator.Net/)やバイオパスウェイのシミュレーションシステム Genomic Object Net (http://www.GenomicObject.Net/)などについても言及する.


11:40~12:40「バイオインフォマティクスとゲノム創薬」

土居 洋文氏 (セレスタ・レキシコ・サイエンシズ(株))

概要:ヒトゲノム情報をもとに賢く理論的に薬を作ろうというゲノム創薬が,新しい創薬のアプローチとして期待されている.一方で,バイオインフォマティクスは生物学や医学等において大いに計算機を利用しようというもので,ゲノム創薬においても非常に重要である.講演では,ゲノム創薬の研究開発プロセスにおけるバイオインフォマティクスについて述べる.


12:40~13:40 昼食休憩


13:40~14:40「E-CELLプロジェクト:細胞のコンピュータシミュレーションとその未来医療への応用」

冨田 勝氏 (慶應義塾大学)

概要: E-CELLプロジェクトは細胞全体をまるごとコンピュータ上に構築することを究極の目的として96年に発足した.E-CELLは酵素反応や膜輸送,遺伝子発現などの化学反応をルールとして個々に定義するとそれらを疑似並列に実行し全体の振る舞いをシミュレートする.このE-CELLシステムを用いて,我々は昨年までに127個の遺伝子からなる仮想の「自活細胞モデル」を完成させた(参考記事Science 284:5411 pp. 80-81).また最近ではE-CELLを用いてヒト赤血球細胞のシミュレーションを完成させた.現在ではこのモデルの酵素活性を人工的に阻害することによって,先天性貧血の原因であるG6PD欠損症などの遺伝病における赤血球細胞の状態をコンピュータ上に再現することを試みている.


14:50~15:50「バイオインフォマティクスシステム」

石川 佳史氏/谷嶋 成樹氏 (三菱スペース・ソフトウェア(株))

概要:バイオインフォマティクスの技術分野にはin silico解析と呼ばれる計算機シミュレーション技術,ウェット系実験におけるデータ処理技術およびウェット系実験の効率化を図るラボラトリーオートメーション技術がある.これら三分野からなる広義のバイオインフォマティクスを利用するための計算機およびソフトウェアシステムの概観について説明し,さらに,バイオインフォマティクス分野においてソフトウェアベンダーが提供すべきサービス像についての提案も行う.


16:00~17:00「ポストゲノム時代のバイオインフォマティクス」

小長谷 明彦氏 (北陸先端科学技術大学院大学)

概要:ヒトゲノム解析プロジェクトの大きな成果の一つとして,ドラフトシークエンスが2000年6月に決定された. しかしながら,ヒトゲノムシークエンスの決定は,「ゲノム解明」の序章にすぎず,遺伝子配列レベルでの変異がタンパク構造の変異,タンパク質間相互作用ならびに遺伝子発現調節にどのように影響し,最終的にいかにして個体レベルの表現系の変異をもたらすのかという,より高次なレベルでの生命現象の解明が待ち受けている.本講演では,このようなポストゲノム時代を迎え,膨大なデータを蓄積し,整理し,分析し,有用な知識を発見するためのバイオインフォマティクス技術について述べる.


第42回人工知能セミナー 参加申し込み受付終了

定員に達しましたので、参加申込みを締め切りました

人工知能セミナー参加費
正会員・賛助会員 学生会員 学生非会員 非会員
9,800円 2,000円 3,000円 15,000円