■人工知能学会 論文特集:「学習科学と学習工学のフロンティア」
(2026. vol. 41, no. 5 (2026年9月号)掲載予定)
■投稿先
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■特集趣旨
学習科学(Learning Sciences),および学習工学(Learning Engineering)に関する研究は,人の学びにおける認知やその促進,効率化など,人の学びのメカニズムの解明や,それを踏まえた教育・学習の支援など,幅広い領域を取り扱う学際的かつ実践的な領域です.これらの知見はもちろん,個々別々に深められるものもあれば,統合のための研究もあり,幅広く知見を共有し合うことが肝要です.このために,各領域の研究者が意見交換や研究の洗練を行う場として,2023-2025年に本学会全国大会のオーガナイズドセッションとして,「AI諸技術の発展に基づく学びのモデルの高度化と展望」が企画され,幅広い知見の共有が行われました.また,先進的学習科学と工学(SIG-ALST)研究会も年3回,累計100回を超えて開催しています.そして論文特集に関しても,2015年に同タイトルである「学習科学と学習工学のフロンティア」を実施しております.本特集はそこから時を経て,大きな変化を遂げた科学と工学を背景に,特に「学習科学」と「学習工学」の新たなフロンティアを映し出すことを意図して企画するものになっています.
本特集号では,これまでに行われてきた研究集会での成果も含め,様々な学習科学,学習工学,あるいはその統合としての様々な成果に関する論文を幅広く募集します.近年,大規模言語モデルをはじめとするAI技術の急速な進展や,生体情報・視線・表情などのマルチモーダルデータの活用を含む,教育ビッグデータを基盤とした高度な学習状態推定や学習モデルの構築が可能となりました.これにより,スキル習得やメタ認知といった高次認知領域への支援も実現可能となり,学習支援の可能性が大きく前進しています.
しかしながら,学際的で多様な知見が散在していることや,統制環境と実践環境の違いといった点など,理論と実践の統合が容易ではないという課題も存在します.先にも記載したように,学習科学は,心理学・教育学・認知科学・社会学など多様な視点を統合し「人はどのように学ぶか」を解明する学問領域です.一方,学習工学は,その理論的知見を教育現場に応用し,学習課題の解決や効果的な支援システムの開発を担います.ゆえにこれらの統合や,違いの知見を共有することによる両領域の連携は非常に重要です.本特集号では,これらの分野の研究成果を包括的に集約・共有し,知見の融合を促進するとともに,新たな共同研究や理論・技術の創発につながる場を提供することを目的とします.
以下に示すテーマを含め,学習科学および学習工学の発展に寄与する意欲的な論文を幅広く歓迎いたします.:
- 認知モデルや認知アーキテクチャに基づく学習支援の設計・評価(学習者の認知プロセスのモデル化,ACT-RやSOAR等の教育応用など)
- 知識工学的手法による学習支援モデリングおよび知識ベース構築,それに基づく適応型学習支援システムの開発・評価
- 生体情報やマルチモーダルデータ(脳波,視線,表情,音声,行動ログ等)を用いた学習状態推定や学習プロセスの分析・フィードバック設計
- 学習履歴やフィードバックの意味的解釈に基づくメタ認知促進や振り返り支援,可視化インタフェースの設計
- 教師・学習者の意思決定を支援する説明可能性・可読性を備えたインタフェース設計(推論根拠や信頼性の提示など)
- 学習科学の理論と教育実践を接続するツール開発や実践研究(教室・オンライン教育でのITS/AIED活用の事例評価を含む)
- 統計的学習手法や機械学習を用いた自動評価システム(自動採点,短答・記述式回答の意味的評価,フィードバック生成など)の設計・評価
- 学習分析(Learning Analytics)や教育データマイニング(Educational Data Mining)による大規模学習データの分析,学習者行動の予測・分類・パターン抽出
- 教育ロボットや教育知的エージェント(対話型エージェント,仮想キャラクター,物理ロボット等)を活用した学習支援の設計・評価,社会的相互作用や情動支援による学習効果向上,適応的行動・発話戦略の開発
■本特集号のスケジュール
論文誌特集号投稿締切: 2025年12月15日(金)
論文誌特集号第1回採録判定通知: 2026年2月27日(金)
論文誌修正原稿締切: 2026年3月19日(木)
論文誌最終採録通知: 2026年5月15日(金)
最終原稿締切: 2026年6月19日(金)
論文誌特集号発行: 2026年9月号(予定)
■問い合わせ
特集号に関するお問い合わせは,以下の「学習科学と学習工学のフロンティア」特集号事務局のアドレスにお願いします.
jsai-lsefronter[at]googlegroups.com
※[at]を@に変換ください
■投稿論文の形式
※ 本特集号では「日本語論文のみ」を受付いたします.
論文執筆,投稿に当たっては, 原稿執筆案内を熟読ください.
https://www.ai-gakkai.or.jp/published_books/transactions_of_jsai/toukou/
採録の決定が本特集号の採録期日に間に合わなかった論文は,一般論文として扱われることがあります.
また,英文ジャーナルNGC(New Generation Computing)との連携を実施します.詳細は下記をご一読ください.
https://www.ai-gakkai.or.jp/whats-new/20151208-2/
■編集委員会構成
- 編集委員長
田和辻 可昌(東京大学) - 副編集委員長
山元 翔(近畿大学) - 編集幹事
古池 謙人(東京理科大学) - 編集委員
笠井俊信(岡山大学),加藤嘉浩(ベネッセ総合教育研究所),小島一晃(帝京大学),小西達裕(静岡大学),島田敬士(九州大学),東本崇仁(千葉工業大学),長谷川忍(北陸先端科学技術大学院大学),森田純哉(静岡大学)