AIマップタスクフォースの活動―AI初学者・異分野研究者のためのAI研究の俯瞰―

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企画セッション当日のプレゼン資料

  1. マップAの趣旨説明(PDFダウンロード:JSAI2019-KS10-MapA-morikawa.pdf)
  2. マップBの趣旨説明(PDFダウンロード:JSAI2019-KS10-MapB-ichise.pdf)
  3. JST CRDS「研究開発の俯瞰報告書」から 人工知能分野の俯瞰図 ご紹介(PDFダウンロード:JSAI2019-KS10-JST-fukushima.pdf)
  4. ローカルAIマップ例 機械学習(ML)マップ(PDFダウンロード:JSAI2019-KS10-ML-Map-tutumi.pdf)

企画セッション名

AIマップタスクフォースの活動―AI初学者・異分野研究者のためのAI研究の俯瞰―

企画セッション概要

AI研究は21世紀に大きく拡大し,全貌の俯瞰的な把握が難しくなっている.そこで,研究発展と外部アピールを目的に,主にAI初学者および異分野研究者のためのAIマップのβ版を理事会中心に作成した.マップは「知能活動のフロー」「技術と応用の相性を知り次のターゲットを探す」「基盤領域から手法・応用領域への展開」「AI研究は多様 フンティアは広大」という4枚のマップ,さらにはAI学会の全24研究会を配置したマップからなる.セッションではマップの紹介と参加者との意見交換,また関連してJST俯瞰報告書や機械学習マップを紹介する.

セッション会場では,印刷物として作成したAIマップβのパンフレットを配布する.
(日本語版300部,英語版100部)
さらに,AIマップβの電子ファイルは,インターネットよりダウンロード可能とする予定である.

セッション構成

日時: 6月6日 15:50~17:30 (100分)
会場: I会場

議事案:

  1. 津本副会長「AIマップタスクフォースの設置について」
  2. AIマップβの紹介:
    作成したAIマップについて,4名の作成担当者(堤,市瀬,森川,植野)より紹介する.
  3. パネルディスカッション:
    識者を加えたパネルディスカッションを通じて,会員・非会員からのフィードバックを得つつ,より有用性の高いマップへの作成・活用指針を議論する.(sli.doを利用する予定)
  4. JST 福島俊一氏 JSTマップの紹介:
    AIマップβとは異なる視点からの,AI研究の俯瞰について紹介頂く.
  5. 機械学習ローカルマップの紹介:
    AIマップβよりも,細かい分野のマップ例として,機械学習ローカルマップを紹介する.
  6. 今後の活動予定(協力要請)

企画オーガナイザ

堤 富士雄(一般財団法人 電力中央研究所),森川 幸冶(パナソニック株式会社),市瀬 龍太郎(国立情報学研究所),植野 研(株式会社 東芝)

キーワード

AIマップ,AI研究,情報発信,AIフロンティア,産学連携

AIマップβの説明

AI研究初学者と異分野研究者のためのAI研究の俯瞰図

AI(Artificial Intelligence)研究は今世紀に入って大きく拡大し,全体を俯瞰的に捉えることが難しくなっている.そこで,これから活躍するAI研究の初学者,およびAI活用を試みる異分野の研究者をターゲットとして,研究の見取り図とできるようなAIマップを作成した.

AI研究には多数の研究分野があり,それらは複雑に関連しあって進展している.そのため全ての研究分野の関連性を矛盾なく,一枚の図版に収めるのは困難である.そこで,今回はAIマップのβ版として,異なる4つの観点からAI研究を捉えた4枚のマップを作成した.

4枚のマップはβ版であり,今後の改良を計画している.また有志による新たな第5,第6のマップの登場も期待している.さらに特定分野の専門家により,部分的に詳細化したマップや,チュートリアルなどが作成され,本マップに紐づけされることで,多層的にマップが広がっていくことも期待している.

個々のマップの詳細な読み方は,各マップに譲るが,ここでは導入として,4つのマップの観点と利用イメージを述べる.

最初のマップAでは,知能のプロセスに着目する.知能を入出力のある処理フローとみなす捉え方は,多くのAI研究で共有されており,各要素技術の研究が進んでいる.要素研究を発展させ複雑な処理を実現する場合や,実現したい知的処理を要素分解して考える場合に役立ててほしい.また,単体の知能と,群としての知能という視点もこのマップには盛り込んだ.

次のマップBでは,技術と応用対象との関連を示す.多くのAI研究は対象を限定した要素技術を研究している.このマップでは技術と対象の代表的なペアを示す.対象をシフトして成功する研究は多いため,次の成功分野は,各キーワードの周辺にあるかもしれない.研究対象のシフトや,応用に利用する周辺技術を知るために活用してほしい.

マップCでは,AI研究の上下に広がる,基盤と応用に着目する.AI研究は自然科学と人文・社会科学に広く基礎を持つ,極めて学際的な研究分野である.また,このマップでは進展著しい応用分野を示す.研究を基盤から見つめ直す時や,新たな応用を模索する時に参考にしてもらいたい.

最後のマップDでは「知能とは何か?」に対するAI研究者の「多様な答え」を示す.技術進展の著しい「学習・認識・予測」はその一つであり,他にも「推論・知識・言語」や「発見・探索・創造」など知能の多様な側面を追求する研究が進んでおり,影響を与え合っている.このマップからはAI研究の広がり,懐の深さを知って頂きたい.未開の地は大きく広がっている.