■ AI ELSI賞の狙い
AI技術は現在、様々な形で社会に利用されるようになってきました。AI技術は汎用技術でありかつ人に近い技術であるため、社会へ広範な影響を与えることや、人々の生活に直接的な影響を与えることが予想されます。このため、単に研究開発の中でのAIを考えるのではなく、社会とのAIの関係やAI技術の倫理的側面も同時に考える必要があると考えます。本表彰は、そのような点において顕著な活動を表彰することで、社会におけるAIという課題を広く共有することを目指しています。
本表彰においては、学会が学術的な活動を表彰するという従来の学会における賞のあり方から一歩踏み出し、学会が社会と協力して、社会におけるAIの課題を共有していることを示す場として、社会に開かれた表彰とすることを意図しています。
■ 受賞対象
AI倫理や社会とAIの関係性に関わる活動全般を受賞対象とします。活動しては、研究論文、一連の研究活動、ワークショップ・会議等の企画、社会活動、製品、サービス、評論、政策提言、文学作品、映像等メディア作品など、形態を問いません。人工知能学会会員以外の個人や団体も表彰対象とします。
■ 応募/推薦方法
他薦および自選による応募。応募/推薦時には、活動のタイトル、活動の内容、応募/推薦理由(本賞に該当する理由、1000字以内)をつけてものを受け付けます。応募者/推薦者は人工知能学会会員(賛助会員を含む)に限ります。
■ 審査基準と方法
該当年(募集の開始日から過去3年間)に発表,あるいは実施された活動(研究論文、一連の研究活動、ワークショップ・会議等の企画、社会活動、製品、サービス、評論、政策提言、文学作品、映像等メディア作品など形態を問わない)の中から、特にAIに関して優れた倫理的視点を与えてくれたもの、あるいはAIと社会の関わり合いに関して深い洞察や影響力のある実践をおこなったものを表彰します。なお、活動の主要な部分がオープンにアクセスできることを条件とします。
応募/推薦された作品や活動を人工知能学会倫理委員会が審査を行い絞り込んだのち、学会内外の有識者からなる審査委員会で審議し、決定します。
■ 審査委員
江渡 浩一郎(産業技術総合研究所 メディアアート・共創型イノベーション)
江間 有沙(東京大学 特任講師、科学技術社会論)
クロサカ タツヤ(株式会社 企 代表取締役/慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任准教授、情報通信政策)
武田 英明(国立情報学研究所 教授、人工知能)
中川 裕志(理化学研究所 グループディレクター、人工知能)
原山 優子(東北大学 名誉教授、経済学)
藤井 太洋(SF作家)
山本 龍彦(慶應義塾大学大学院法務研究科 教授、憲法学・情報法学)
(アイウエオ順:内諾済みのみ)
■ 表彰
賞はPerspective(展望)賞とPractice(実践)賞とし、それぞれ賞状を授与します。

  • Perspective(展望)賞:今後のAI研究の方向に示唆を与えてくれる、優れた倫理的視点を与えてくれた活動等。
  • Practice(実践)賞:AI倫理やAIと社会との関わりに関して、社会的な影響を与えうると考えらえる、サービスや製品あるいはフィクション等の作品などの実践的活動等。
■ 最終候補
以下の6件を最終候補に選びました(五十音順、敬称略)[2019/10/1]。
  • 神嶌敏弘(国立研究開発法人産業技術総合研究所)「AIの公平性に関する⼀連の研究」
  • 河合祐司(大阪大学)「日本科学未来館 オープンラボ「一緒に探そう未来のルール 〜ロボットの事故は誰かのせい?」
  • QA4AI「AIプロダクト品質保証ガイドライン」
  • 城戸隆(Preferred Networks)、高玉圭樹(電気通信大学)「AAAI (Association for the Advancement of Artificial Intelligence) Spring Symposium主催 (2012 – 2019)」
  • 関口海良(東京大学)「人工知能倫理に基づく倫理的人工知能設計支援システムの研究開発」
  • 山田胡瓜(SF漫画家)「AIの遺電子」

■ 今後の予定

  • 7月1日:当ウェブサイトで募集開始
  • 7月31日9月13日:募集締め切り(延長しました)
  • 11月23日 13:20-14:30:人工知能学会合同研究会2019で表彰

その他の詳細情報は、随時当ウェブサイトで告知していきます。
■ 連絡先
人工知能学会倫理委員会 委員長 武田英明 (takeda [at] nii.ac.jp)
※ [at]→@に変えてください