【講演概要】

汎用的言語理解フレームワークに基づく統合型駄洒落雑談対話システムの構築と評価 (OL)

〇谷津 元樹、稲垣 ルイ、田羅間 大晴、森田 武史 (青山学院大学 理工学部 情報テクノロジー学科)



ユーモアへの理解を説明可能な動作で示すことのできる対話システムの実現のため、 我々は駄洒落の認識、駄洒落応答、 及びこれらを文脈制御に基づいて使用する駄洒落雑談対話システムの構築を行った。 まずジャロ・ウィンクラー距離に基づく種表現候補からの変形表現の認識手法を実装し、 対話システムの発話理解部に容易に組み込めるよう、汎用言語理解フレームワーク spaCyに対応したコンポーネント化を行った。また、 適切なタイミングでの文脈に即した駄洒落文の取得を行うため、 駄洒落応答生成の条件判定に使用する駄洒落タイミング判定モデルを Random forest法に基づき構築した。 コンポーネント化した駄洒落認識機能を発話理解部に、 駄洒落タイミング判定モデルを対話制御部に、 応答生成部に駄洒落生成及び用例ベース雑談応答生成を統合し、 テキストベースの駄洒落雑談対話システムを作成した。 応答の自然性・文法性、駄洒落応答のタイミング、駄洒落の話題適応性、 及び駄洒落認識の適切さを回答する評価実験において、 応答の自然性及び駄洒落認識の適切さについて、 提案手法による統計的に有意な差を伴った向上が推定できる結果が得られた。