【講演概要】

主観性の再考察: 「前」の意味変化から

山口 登志子 (マラヤ大学)



特に英語を扱った先行研究において、意味変化 (semantic change) は客観性 (objectivity) から主観性 (subjectivity) に至る方向性 (directionality) によって成り立つとされ、主観性の本来の意味・機能が議論の対象とされてきた。 セオリーの細かい構造においては異なるが、主観性研究の第一人者である Langacker とTraugott は一連の論文でこの仮説の正当性を試みている。 本発表では「前」の意味変化のデータを基に、 これまでに述べられてきた主観性がどの程度有効なのかを考察する。