内海 彰 (電気通信大学)
本研究では,理解時間に制約を設けることによって, 隠喩の観賞過程がどのような影響を受けるのかを実験的に検討した. その結果,ずれの解消モデルの予測どおりに, 制約がない場合に比べて隠喩の詩的効果の認知が抑制される (隠喩の詩的度が低く評定される)ことが示された. さらに,理解時間の制限のせいで, 隠喩の理解容易度に応じて審美処理の活性度が異なることが示され, 観賞過程の並列モデル(競合抑制モデル)を支持する結果となった.