内海 彰 (電気通信大学)
グループμは『一般修辞学』の中で隠喩を二つの提喩の積であると規定した. この隠喩の二重提喩説は,その後,多くの隠喩研究によって批判され忘れ去られた. しかし,二重提喩の概念は, 隠喩の理解メカニズムを考える上で重要なヒントを与えていると思われる. そこで本研究では,隠喩の二重提喩説やその批判を再検討するとともに, ある意味ですべての隠喩は二重提喩であることを主張する.