【講演概要】

Web検索と単語n-gramモデルによる対話処理手法における補佐システムの有効性

高橋 瑞希、Rafal Rzepka、荒木 健治 (北海道大学大学院 情報科学研究科)



近年,人間とコンピュータが対話を行う「対話システム」の需要が高まっている. 特に,非タスク指向型の対話システムは,タスクの定まった対話システムが満たすことのできない, いわゆる雑談に対する需要を満たすことが期待されている. しかしながら,書き言葉と比較して解析が困難な話し言葉で進行し,かつテーマが次々に変遷する雑談において, ユーザに対して意味的にも内容的にもまったく違和感を与えない文を生成することは難しい. また,n-gramモデルといった文生成の自由度が高い手法を適用した場合, 違和感を与える発話文を生成してしまうことは,システムに対する評価の低下に直結する. 本研究では,Web検索と単語n-gramモデルを用いた柔軟な文生成を行う対話処理システムにおいて, テンプレート型の対話補佐システムを組み込む手法について提案し,その有効性について論じる. ここで述べる「補佐システム」とは,第三者としてユーザの発話にあいづちを打ったり, ユーザに発言をうながすことでより多くの情報を引き出したりといった, メインの対話システムの処理を補佐する役割を担う,サブの対話システムである. また,処理の違いに着目した比較実験を行い,補佐システムがユーザに与える印象や影響について検証する.