○小野 淳平 (デジタルアーツ仙台/岩手県立大学)、 佐々木 淳 (AOI TYO Holdings株式会社)、小方 孝 (岩手県立大学)
Ogata (2019) は、統合物語生成システム (Integrated Narrative Generation System: INGS)の開発を通じて、物語の様々な段階における生成機構の開発並びに諸機構の有機的な統合を行っている。その中にはCMの自動生成を試みた研究・開発もあり、広告のストーリー構造及び商品の導入方法の分析とその知見による生成機構を試作した (小方・金井, 2010)。この研究は商品(ブランド)がCMにおいてどのように現れるかについて、共通する構造の分析を行った。
本稿ではさらに ``Creative Genome'' プロジェクト (佐々木, 2018) を背景として、広告に用いるストーリーの自動生成を試みる。Creative Genomeは日本の代表的なCMおよそ1000本を対象として、CMのコンセプトや制作に関する手法、視聴者に与える印象などのデータを体系的にまとめたものである。従来の広告研究では、上記プロジェクトのような科学的物語論を踏まえた物語分析があまりに少なかったため、同じく物語論を踏まえて開発を行っているINGSやその諸成果とCreative Genomeを融合することで広告プロットの生成が可能となる。