【講演概要】

昔話のモチーフのプログラム化とモチーフ構造の比較

小野 淳平 (デジタルアーツ仙台/岩手県立大学)、〇伊藤 拓哉 (岩手県立大学)、 小方 孝 (岩手県立大学)



本研究は、物語生成において、昔話のモチーフを利用した生成を可能とすることを目指す。モチーフとは、登場人物の主要な一行為、およびそれに直接的に対応する行為を含む単位である (小澤, 1997)。一つの昔話は、必ずしも一つのモチーフだけに基づくわけではない。複数のモチーフに基づく場合も多い。昔話におけるモチーフを分析することで、昔話のストーリーの構造に関する知識が得られると考えられる。
我々は昔話のモチーフをプログラム化することで、INGS (Integrated Narrative Generation System) が持つ物語生成のための知識体系に対して、昔話のモチーフの統合を試みる。そのために本稿では、日本の民俗学者である関敬吾による日本の昔話の体系に基づき、 日本の昔話のモチーフのプログラム化を行った。また、プログラム化の目的は、以上の知識体系の統合だけでなく、伊藤・小方 (2018) が行った昔話の型における共通構造の検討について、モチーフのプログラムを用いた検証も念頭に置いている。