【講演概要】

身体化と非身体化・Causalityと使役: Dynamic Coginitive Semanticsの観点から

緒方 典裕 (大阪大学言語文化部)



筆者はこれまで認知科学・認知言語学の成果をダイナミック論理やDynamic Predicate LogicへのPrivate Viewpoint ModelというEcologically real なカメラモデルの編入によって、形式意味論や形式論理との融合を試みてきたが、 この視覚のモデル化だけでは自然言語の身体的な観点からの意味論は構築できない。 そこで、本稿ではPrivate Sensor Model(PSM)という形式的な感覚モデルを導入する。 PSMはある対象があるエージェントの身体であるということを認知するために必要なモデルとなっている。 例題として、自然言語の意味における「身体化と非身体化」、「Causalityと使役」の意味論を扱う。