小方 孝 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部)
ここで言うポストナラトロジーとは、筆者が構築中の独自の概念である。 これまで、ナラトロジーからポストクラシカルナラトロジーへと発展して来たナラトロジーの全体に対する、 ポストナラトロジーの構想である。 この概念は、もともと私的・個別的な(個人幻想的)な構想であり、 そこからより共同的なものが分かれて行った。 前者の個人幻想的ポストナラトロジーを「物語生成のポストナラトロジー」と呼び、 後者の共同的・一般的なものとしてのポストナラトロジーを単に 「ポストナラトロジー」と呼ぶ。 本エッセイの目的は、このような意味でのポストナラトロジーについてもう少し詳しく説明した上で、二つの方向への展開計画について述べることである。