【講演概要】

発話に対する適切な行動としての意味獲得: 終助詞「よ」「ね」を中心として

◯野々口 直宏、深田 智、尾関 基行、岡 夏樹 (京都工芸繊維大学)



終助詞は日常会話で頻繁に用いられ、 話者の心的態度を表すという重要な働きを持つ。 また、子どもによる獲得時期も早いことが知られている。 しかし、その意味獲得の計算モデルはあまり研究されていない。 本研究では、終助詞を含む発話に対して、 ロボットがどうふるまえばよいかを学習することを目指す。 ロボットは対話相手から与えられる報酬に基いて適切な行動を学習する。 終助詞「よ」の教示用法 (新しい情報を聞き手に伝えることを示す) と終助詞「ね」の同意要求用法 (情報が共有されていることを確認したいことを示す) を取り上げ、それらに対してロボットが適切に行動できるようになることを実験的に示す。 ここで獲得された行動を手がかりにして、 内部情報処理を獲得させる (たとえば、対話相手が注目しているものの方向に顔を向けることを獲得し、 それを手がかりに、そこで見たものの名前を覚える) ことを、今後試みる計画である。