中村 道広 (日野学習センター)
本稿は、「馬鹿」という日常語彙を分析の基準点に据え、それが「罵倒」から「励まし(親愛)」へと化けるメカニズム、および発話者の意図と受信者の解釈の間に生じる非対称性の原因、さらには「悪口の境界線」の所在について、言語学(国語学・語彙論・文法論・文体論・文章論)および周辺領域(認知言語学・心理学・哲学)の知見を統合し、包括的に考察する。