【講演概要】

『枕草子』序段の新視点 ―実りある春夏から、実りがない秋冬へ―

中村 道広 (町田第三中学校)



『増訂枕草子春曙抄』に「まづ時節の景を書出たり」とあり、四季を述べた文章であることは、現在も一貫して変わっていない。また、国語教育においても「定番となっているような教材は、教師からすれば見慣れた光景」として取り上げられ、教え続けられているというのが現状であろう。
たしかに、表面上では四季について述べられているが、他にもっと深い読みができるのではないか、という思索にあった。そうすれば、教師の行う授業にも活気が出てくるし、『枕草子』に隠された謎を解明できればという僅かな期待もあったからである。
本講演では、それに関して議論する。