仲本 康一郎 (独立行政法人通信総合研究所)
本稿は、生態心理学の知覚・行為観に立ち、人間の空間的な認知や言語における「身体性」の問題を議論したい. 生態心理学は、知覚者を環境のなかの情報を能動的に探索し、 生体の「行為」や「感覚」を可能にする情報として利用できる「主体」であると考える. 本稿は、空間認知を反映する言語表現を分析し、探索された空間を「行為者」 や「感覚者」としての主体がどのように意味づけるかを考えてみたい