村井 源 (公立はこだて未来大学 複雑系知能学科)
物語自動生成の発展により、比較的パターン化されたジャンルでは物語構造の抽出、および抽出された基本的な物語構造に基づく物語の展開の自動生成が実現可能になりつつある。しかし、人間のように物語を創作するためには物語の時系列的なプロットの展開だけでなく、プロットの中で語られる内容に関しても自動的な生成を行う必要がある。本研究では探偵小説を対象として、トリックとそれを解明する探偵の推理行動の構造の記述及び分析を実データに基づいて行い、人工知能から利用可能なデータを構築する。また構築されたデータにもどつきトリックとそれに対する探偵の推理行動の自動生成のためのプログラムの試作を行った。