古宮 望美 (中央大学政策文化総合研究所)
美容整形手術を受ける患者が世界各国で増加している。 COVID-19の世界的流行に伴い、 日常生活の中でマスクの着用が義務付けられ施術部分が隠せるようになったこと、 在宅勤務が増えて自宅で術後の経過観察を行う時間をやすくなったことがその一因であると考えられている。 このことからも、昨今では国内外で美容整形手術に対する関心が高まっている様子が覗える。 また、現実世界のみならずフィクションの世界でも、美容整形を題材にした作品が散見される。 本研究では、湊かなえ著『カケラ』内に登場する医師と患者の視点で描かれた美容整形手術に対することばの表現を読み取り、登場人物が美容整形に対して抱いている認識について検討している。