〇古宮 望美、中村 潤 (芝浦工業大学)
ブランドの印象は、「可愛い系」「カッコイイ系」「高級志向」などの様々な言葉で表現される。 本研究では、企業におけるブランドのポジショニング戦略の策定を支援するツール「ブランドマップ」を構築するための検討を行なった.筆者らは、ブランドのポジショニングにおいてそれらを分類する軸(基準)が重要であると考えた上で、次の実験を行った。 まず、複数のブランドロゴを被験者グループに提示し、それらのイメージや距離感を想定してロゴの配置をしてもらった.次に、それらのブランドロゴが配置されたところにx-y軸を設けるとしたら、2軸にはどの様な言葉を設定するのが良いか議論してもらった.最終的には、配置されたブランドロゴとそれらの基準となる2軸が示された「ブランドマップ」を得た。 その結果、同じブランド同士でも軸となる言葉の設定次第ではそれらのポジションが大きく異なることが明らかにされた.さらに、軸に設定された言葉の捉え方が、被験者らの思考の過程で変化していることも明らかになった.本研究においては、人の言葉の捉え方か試行錯誤の過程で変化する中で、どうすればブランドポジショニングに向けた意思決定支援ツールの構築に繋げられるのかについて考察している。