○岸田 葵 隼,角 薫 (はこだて未来大学)
本研究は、将来のオンラインショッピングを想定したメタバース接客環境において、 アバターエージェントによる接客がユーザの購買意欲に与える影響を明らかにすることを目的とする。 近年、非対面型の購買体験や仮想店舗サービスが普及する一方で、アバターの表情、 声のトーン、話し方、外見といった表現特性が購買意欲に及ぼす影響や、 ユーザの性格特性との関係については十分に検証されていない。本研究では、 Unityを用いて仮想衣料品店舗実験環境を構築し、話し方や態度、 外見の異なる6種類のアバターエージェントを用いた対話実験を情報系大学生36名を対象に実施した。 接客前後の購買意欲および商品適合感から購買意欲スコア変化量を算出し、 性格特性との関係を分析した。その結果、いずれの商品条件においても、 アバター接客後に購買意欲は有意に向上した。一方で、キャラクター属性の違いや、 性格特性とキャラクター属性の適合による効果は統計的に有意ではなかった。 自由記述分析からは、キャラクター属性そのものよりも、会話の噛み合い、 提案内容の具体性、外見と声の整合性といった対話品質に関わる要因が購買意欲変化に強く影響していることが示唆された。 これらの結果は、メタバース接客において、キャラクター設計に加えて対話体験全体の設計が重要であることを示しており、今後のアバター接客デザインに対する実践的な指針を提供するものである。