【講演概要】

認知スタイルの差異は物語をいかに変形させるか ― ASD認知特性の計算論的モデル化と物語生成シミュレーション―

〇一尾 操 (大和大学)、小野 淳平 (青森大学)、青木慎一郎 (岩手県立大学)、小方 孝 (大和大学)



本研究はASD者の認知特性を「異なる認知様式」として捉え直し、物語の枠組みのもとで計算論的に記述することを目的とする。ASD当事者へのインタビューをもとに記述した「東淀川駅物語」を研究対象とし、刺激感度 (S) ・自己文脈 (Cs) ・外部文脈 (Co) ・記憶バイアス (M) の4パラメータからなるS/C/Mモデルを定義した。このモデルをフレームシステムとして実装し、ASD傾向を持つXと定型発達者Zのパラメータを変えてシミュレーションを行った結果、同じ刺激入力から異なる行動経路・物語が生成されることを確認した。Xにおいては「東淀川駅物語」の行動パターンがシミュレーション上で観察され、ASD認知特性の計算論的記述の可能性が示唆された。