◯加藤 隼也 (上智大学大学院 理工学研究科 理工学専攻 情報学領域)、
伊藤 潔、川端 亮 (上智大学 理工学部 情報理工学科)
ダイアグラムは,要求分析,設計において,非常に有用なツールであるが, ダイアグラムを記述することは,例え熟練者であっても簡単ではなく, 手間のかかる作業である. そこで,オントロジによるダイアグラム記述の手間の軽減を提案する. オントロジとは言葉の意味体系のことである. 知識を記述する際に用いる語彙をオントロジとしてあらかじめ定義しておき, それらを知識記述の際に共通して利用することで, 知識の共有・再利用性を向上させることが可能になる. 本研究では,記述するダイアグラムとして, Multi-Context Map(以下,MCMと呼ぶ) を用いた.MCMはコラボレーションタスク (複数の作業者と組織による協調的な業務プロセス) の全体業務を捉えるためのダイアグラムである. オントロジを利用することによって,システムに関する知識を再利用できるので, 要素の列挙や結合を記述するさいに役立ち,MCMが記述しやすくなる. また,ドメインの知識をMCMによって記述することでオントロジの検索の有用性を高めることもできる.