【講演概要】

「人間の思考過程を機械に教える」ことができるか ―改めて機械翻訳を考える

岩垣 守彦



翻訳というものは習得言語を母語に訳すのが普通であって、 その逆はきわめてまれである。 母語にはだれでも感覚的かつ慣習的に自信を持てるが、 習得言語でそのような自信は持てないからである。 機械翻訳は言語的には無国籍で、 日本語を英語に訳させても英語を日本語に訳させても、 それぞれ母語話者なら決して犯さないミスをする。 しかし、機械をバイリンガルにして、 母語対習得言語の壁を超える言語間の適正な等価変換をすることはできないだろうか。 機械翻訳について改めて考えてみる。