岩垣 守彦
言語は符牒とその運用法則を対応させると相互に変換することができるという昔からの人間の知恵に倣って, 英語を日本語に対応させて変換がなされてきた.しかし, この変換法は,目標言語を母語的に理解することを中心にした対応規則であった. 自然言語の母語を持っていない機械にとって,自然言語はすべて異星人の言語である. したがって, 機械にとって必要なのは言語情報という観点に立った異言語相互の変換規則である. 言語情報という観点から「言語」を見ると, すべての言語は「単位情報とその連結」からできている. 言語に個別性があるのは「符牒」(signs)「単位情報内の符牒配列」 (unit-information patterns)「論述様態」(narrative patterns) 「単位情報の連結」(connection patterns)が異なるからである. したがって,これらの四つの要素がそれぞれ対応していれば, 言語はすべて機械的に変換できることになる. ここでは,日本語から英語への変換作業を視覚的に確認する方法を考える.