岩垣 守彦
私たちは昔からアナロジーを使って「未知なもの」を「既知なもの」に 「なぞらえる」という方法で伝達し,受け取った「未知なるもの」を「既知なるもの」 と「重ね合わせる」ことで理解してきた.言葉による情報の伝達に際しても 「非視覚的認識」を「視覚的認識」(イメージ) に変えるという方法をとってきたと思われる.たとえば, 「行く川の流れは・・・」と音声で主題が語られると, 聞き手の脳には「流れる川」のイメージが生まれる.続けて 「絶えずして,しかももとの水にあらず」と語られると, 当たり前の事例が改めて取り上げられることから何らかの知恵の伝達を感覚的に意識する. 文字で読んだ場合も同じである.「文字」を自分の「内的資源」と同調させ, 「イメージ」(視覚的認識)を喚起させてから「非視覚的認識」(知識・知恵)を得る. 「言葉」(音声や文字)は「イメージ喚起の表象的媒体」として運用されるのである. それなら,最初から一定の共通ルールに基づいて「イメージ(画像・映像)」 列を提示すると世界共通の伝達媒体としての有用性が生まれてくるのではないか.