石村 源生(北海道大学科学技術コミュニケーター養成ユニット)
Web上での「集合知」が注目されて数年が経過するが、Web上での議論は、 ともすれば発散、循環、蛸壺化、あるいは個人に対する誹謗中傷に陥りがちである。 この問題の解決に寄与するために、Web上のコミュニケーションを構造化・ 可視化するツールのコンセプトを提案したい。これはすでにセマンティックウェブ、 オントロジーの領域における研究テーマとして採り上げられていると思われるが、 いずれも現状では専門性が高く、 一般のウェブユーザーにはまだまだ敷居が高いのではないだろうか。 一般のユーザーがブログに日記を書くような気軽さでコンテンツ制作を楽しみながら、 他人のコンテンツと組み合わせて情報を有機的に積み上げ、 その過程で自然に論理的思考、科学的思考などを身につけていくことができるような 「大人の知育玩具」をネット上に普及させたい。 また、狭い意味での「議論」のためのツールとしてだけではなく、あらゆる知識、 情報、アイディア、ストーリーを構造化して表現できる汎用性の高いツールとして構想したい。