○乾 裕子、井佐原 均 (独立行政法人通信総合研究所 / 神戸大学大学院)
「要求を知る」すなわち、 何が求められているのかを認識するということが社会のあらゆつ局面で必要とされている。 近年、パソコンなどの電子媒体やインタネットの普及に伴い、 多くの要求が電子化テキストに蓄積されるようになった。 これら電子化テキストから要求を取り出すことに関しては、要素技術として色々研究開発がなされてきている。 しかし、「要求を知る」ことは、様々な「要求者」の意図を知ることであり、 現在、工学的な意図認識や意図理解でなされているような、 単にテキストに文字通り表現されている要求表現を抽出するだけでは、不十分である。 本研究では、要求意図を判断する基準について述べ、 判定から得られる要求を「明示的要求」として分析する。 更に、その判定により、「その他」と位置付けられたものに「暗黙的要求」が含まれることについて述べる。