【講演概要】

「雨」ということばによって生成/破壊される情景

○林 侑輝、阿部 明典 (千葉大学大学院 人文社会科学研究科 総合文化研究専攻)



歌謡曲においては、「雨」が中心的なキーワードではないかと、夏休み中にふと思いついた。 「雨」というのは高頻度で登場する単語であるというばかりでなく、 「酒」、「夜」、「涙」など歌謡曲における他の頻出単語と結び付きやすいのではないかという意味で、 ここでは「中心的」と表現している。 歌謡曲において実際に「雨」という単語が登場する割合に関する計量的な分析は別稿に譲るとし、 本稿では、「雨」ということばがどのような表現において用いられるかについて分析した。 特に、「雨」ということばが用いられる文脈や、歌詞全体の構成に着目し、雨ということばによって生成/破壊される情景を分析した。