【講演概要】

300から500の閾値問題の検討および想定実験

原田 暢善 (千葉大学フロンティア医工学センター)



ダジャレマシーンというシステムでダジャレを多数発生し録音した音ファイルをヒトに提示した場合、 発生数500の場合は、繰り返し聞いている条件において、 以前に発生がなされた音ファイルが、再度再生されたとの認識が成立するが、一方、 発生数 2000 の音ファイルにおいては、繰り返しの聴取においても、 前回に発生された音ファイルの再発生の確認の認知が困難であるとのコメントを神奈川大学の松澤和光氏から聞くことが出来た。 全体として脈絡がありかつ落ちのある記憶対象の記憶において、 対象数が 500 であった場合と 2000 であった場合の、 体操に対する記憶状況の質的差が存在することが想定された。このことは、 ある脈絡を持ち落ちなどの心理的状況を賦活する記憶対象において、 対象に対する記憶の容量の有限性、さらに、 その容量を超えた記憶対象に対する記憶形成における質的差異を示している事例と考えられた。 ある脈絡を有する記憶対象に対する記憶容量の有限性に関し、 事例に基づき考察を行い、かつ、 記憶対象の有限性に関する想定実験に関して述べてみたいと考えている。