○古市 駿,角 薫 (はこだて未来大学)
本研究では、HoloLens 2を用いて自然観察を起点としたフラクタル構造とフィボナッチ数列を学ぶための体験型学習システムを、MR技術を使用して実現する。近年の日本の数学的リテラシーは他国に比べて常に高い水準を維持している。しかし、TIMSS2019やPISA2022のデータから日本の学生は数学と日常生活との関連性を学ぶ機会が少なく、数学を学ぶことへのモチベーションが世界と比較すると低いことが問題となっている。この問題を抽象的概念の可視化支援が可能なMR技術と高い内発的動機付けが期待できるKolbの経験学習モデルを組み合わせたシステムを組み合わせることで解決を目指す。このシステムを開発後、従来のテキスト資料を用いた学習スタイルと比較実験を行い、学習効果・学習意欲・体験満足度の3つを比較し、システムの有意性を検証した。その結果、本システムは内発的動機付けにおける学習への興味・楽しさ、課題を上手く遂行できたという感覚、自らの意思で学習に取り組んでいる自律的な認知を高めることが示唆された。そのため、フラクタル・数列理解を目的とした本システムについてKolbの経験学習モデルを用いた学習が与える、具体的経験や能動的実践としての学習の強度が有意な内発的動機付けに起因していると考えられる。