【講演概要】

書籍の季節推定手法における季語の有効性

伝住 颯夏、ジェプカ・ラファウ、荒木 健治 ()



書籍作品の推薦において、読者に注目される要素の一つに書籍の季節が挙げられる。 著者らは季節の推定について、 「俳句に用いられる季語に着目することで間接的に季節の推定が可能になる」 という仮説を立てた。この仮説を確認するために、 一部旧暦を基準とする季語の再分類、 誤抽出の多い季語の除去を行い季節推定用季語リストの作成を行った。 また、リストと各季節との共起について調査を行い、対応する季節に共起すること、 季節ごとの特徴の確認を行った。次に、季語リストを用いた提案手法と tf-idf法を用いた手法について推定精度の比較を行った結果、 提案手法の平均推定精度は90.5%であり、tf-idfを用いた手法の平均推定精度 63.5%を大きく上回り、 季語に着目することで書籍の季節を効果的に推定できるという本仮説を用いた提案手法の有効性が確認された。 今後は書籍の章単位で季節推定を行うことで、より詳細な書籍の時間に関する情報を取得し、推薦へと反映させるよう取り組む予定である。