○青木 慎一郎 (岩手県立大学)、小野 淳平 (青森大学ソフトウェア情報学部)、小方 孝、一尾 操 (大和大学情報学部)
ASD特性の方の対話は言葉の異化を起こしやすい。 そのことから行き違いが起きることがある。しかし、 異化は本来「先入見にとらわれ、パターン化したものの見方捉え方に刺激を与え、 それによって目を開かれたわれわれが、今まで気づかなかった新しい発見や認識を行う」 (岩淵達治,1980, 「ブレヒト」) はずである。 シクロフスキーは異化を「自動化 (物理的制約) →異化→自動化… と際限なく続くメカニズム」(佐藤千登勢,2006,「シクロフスキー 規範の破壊者」) としている。本論では、このメカニズムの中で、これまであまり注目されなかった 「異化→自動化」の方に注目する。つまり、 異化 (「非日常化」とも訳される) から同化 (つまり、日常) にもどるメカニズムである。定型発達者が注目するのは例えば映像においては、 「同化的な処理の中でこそ異化は成立する」 (金井明人,2021,「映像と現実、その異化」) のように、映像作成における「自動化 (同化) →異化」の方向に注目する。 本論では、 ASD特性における対話の行き違いを検討することにより、 「異化→自動化 (日常化、同化)」の方に注目する。