雨宮 俊彦
関西大学社会学部
言葉による表現と絵による表現の共通点と相違点を、事例を示しながら、 感性認知記号論(雨宮2002a)の立場から、複数のレベルで総合的に比較検討する。 まず、名詞や形容詞などに相当する概念や否定、引用などを、絵ではどう表現しうるのか、 PIC (Pictogram Ideogram Communication) やアナログ画、マンガなどの例を通じて検討する。続いて、修辞法を形態的水準、 概念的水準、語用論的水準の三レベルに分け、 言葉による修辞法と絵による修辞法の共通点と相違点を検討する。 次に、文体と視覚表現のスタイルについて、 The Elements of Styleの著者Strunkの文体論とTufte の視覚表示論の比較などの例を通じて検討する。最後に、マンガ表現における、 言葉の諸側面の視覚化と絵の言葉化について述べる。
[参考文献]