秋元 泰介 (九州工業大学大学院情報工学研究院知能情報工学研究系)
認知システムの内部において,世界をストーリーの形で表象するための枠組みとして、 Cogmic Spaceというコンセプトを提案する。この枠組みは、 世界の様々な事物を統合的に表現することを目標として、 物語マンガの表現方法とのアナロジーを通してデザインされる。 Cogmic Spaceは、人工知能におけるシンボリック表現とは異なり、 イメージと記号 (イコン、インデックス、シンボルの全てを含む) の組み合わせにより、人物、身体、物、場所、言葉、音、匂い、感情、 運動等の様々な情報を表現する。基本的な表現単位はコマであり、 その中で事象と状況をまとめて表現する。そして、 複数のコマの配列により一つのストーリーを表現する。 さらに、 認知システムの内部において、表象としてのストーリーから動的に意味を生み出す過程として、「読み」という概念を導入する。