【講演概要】

複数特許の文書構造を用いた類似特許検索手法

○相川 仁、湯川 高志 (長岡技術科学大学)



無効性文献検索の既存手法は単独で無効化可の特許を検索するものが多く、 複数で無効化可の特許への対応があまりなされていない問題に対し、 複数特許による無効化のための検索方式を実現する目標とした。 特許が無効になる条件として請求項が同じになる事が挙げられるが、 請求項はその文章の書き方が特殊で分かりづらい。 そこで、特許明細書の構造に着目した。構造化された特許明細書の項目には、 請求項の内容 を補足できるような内容がいくつかある。 それらの項目を請求項の内容を示すような組み合わせで、 特許明細書の内の項目を利用し組み合わせを行えば、 複数特許を用いた特許の無効化が達成できるのではないかと考えた。 そこで、特許明細書構造のセクション毎に利用出来る項目を列挙し、 ベース手法と比較評価した。その結果、ベース手法にくらべて、 複数特許により無効となる特許文書を精度高く検索することができ、 特許明細書の項目のうち、【要約】の語句を請求項の補足に使うことで、 最も高い精度が得られた。 このことから提案した手法が特許性調査における複数文書による無効化において有効であることを示した。