AIマップβ2.0
AI研究初学者と異分野研究者・実務者のための課題と技術の俯瞰図

AI(Artificial Intelligence)研究は拡大し、全体を俯瞰的に捉えることが難しくなっている。また、AI研究の成果を用いた多数のシステム(AIシステム)が実社会で活用され始めており、AIシステムとAI技術との対応も把握が難しくなっている。そこで、これから活躍するAI研究の初学者、およびAI活用を狙う異分野の研究者・実務者をターゲットとしたガイドとして、AIマップβ2.0を作成した。本AIマップβ2.0は、2019年に発刊したAIマップβの発展版であり、AI課題マップと、AI技術マップの2種から構成される。概要を以下に示す。

【AI課題マップ】
AIシステムによる解決が期待される多数の課題を整理した課題カード群と、それらの関連性を示す課題関連マップで構成した。異分野研究者・実務者が自分の課題を念頭に、AI活用の観点から課題を整理・深堀りする時の支援を目指した。初学者には、課題群の全体像を把握し、目標を定める助けとしてほしい。なお、既にAIシステムの事例集や、産業別の応用解説が書籍等で広く提供されている。本マップはそれらを代替するものでは無く、既存情報では得難い、課題群への広い視野と、課題とAI技術との関連性の情報を提供する。

【AI技術マップ】
AI技術マップは、2019年に発刊した「AIマップβ」の改訂版である。人工知能学会 論文誌編集委員会の協力により、キーワードを精査し、人工知能学会の論文キーワードとの共通化を図った。
これにより最新の研究キーワードが追加された。また共通化により、今後発刊される学術論文をキーワードで辿ることが可能となる。異分野研究者・実務者に対し、研究や開発情報収集の道標として役立つものと考える。初学者は自分の研究分野の位置づけを知り、学習を進める助けとしてもらいたい。

両マップは、相互に補完しながら、課題と技術の組み合わせを整理する役割を担っている。AI課題マップとAI技術マップを行き来しながら、研究やシステム構築の目指すべき姿を探索してもらいたい。

本資料ではその他に、研究会マップと、みんなでつくるAIマップを収録した。研究会マップは2019年版の更新である。みんなでつくるAIマップは、日本科学未来館が作成した、一般の人のAIに対する受容性を調査した資料である。

目次

【AIマップの引用・再利用について】

AIマップは、引用の範囲で、以下の要領で自由にお使いいただいて結構です。

  • 冊子全体をそのままコピー掲載しない。
  • 引用表示「人工知能学会「AIマップβ2.0 (2023年5月版)」」を併記する。
  • 可能であればダウンロードURLも併記する。

なお、AIマップβ2.0の趣旨からして、「同一性保持権」は行使しませんので、上から書き加えて頂いたり、一部を改変頂いてもOKです。
AIマップβ2.0はCC BY 4.0でライセンスされています。(ただし、p.30および付録の日本科学未来館制作マップを除く)
お手数でなければ、引用された資料をAI学会事務局(info[at]ai-gakkai.or.jp, [at]を@に置換)あてにお送り頂ければ幸いです。今後の活動の参考にします。

AI課題マップ

 

AI技術マップ