AIマップ



AIマップβ

AIマップβ AI研究初学者と異分野研究者のためのAI研究の俯瞰図

AI(Artificial Intelligence)研究は今世紀に入って大きく拡大し、全体を俯瞰的に捉えることが難しくなっている。そこで、これから活躍するAI研究の初学者、およびAI活用を試みる異分野の研究者をターゲットとして、研究の見取り図とできるようなAIマップを作成した。

AI研究には多数の研究分野があり、それらは複雑に関連しあって進展している。そのため全ての研究分野の関連性を矛盾なく、一枚の図版に収めるのは困難である。そこで、今回はAIマップのβ版として、異なる4つの観点からAI研究を捉えた4枚のマップを作成した。

4枚のマップはβ版であり、今後の改良を計画している。また有志による新たな第5、第6のマップの登場も期待している。さらに特定分野の専門家により、部分的に詳細化したマップや、チュートリアルなどが作成され、本マップに紐づけされることで、多層的にマップが広がっていくことも期待している。

個々のマップの詳細な読み方は、各マップに譲るが、ここでは導入として、4つのマップの観点と利用イメージを述べる。

最初のマップAでは、知能のプロセスに着目する。知能を入出力のある処理フローとみなす捉え方は、多くのAI研究で共有されており、各要素技術の研究が進んでいる。要素研究を発展させ複雑な処理を実現する場合や、実現したい知的処理を要素分解して考える場合に役立ててほしい。また、単体の知能と、群としての知能という視点もこのマップには盛り込んだ。

次のマップBでは、技術と応用対象との関連を示す。多くのAI研究は対象を限定した要素技術を研究している。このマップでは技術と対象の代表的なペアを示す。対象をシフトして成功する研究は多いため、次の成功分野は、各キーワードの周辺にあるかもしれない。研究対象のシフトや、応用に利用する周辺技術を知るために活用してほしい。

3番目のマップCでは、AI研究の上下に広がる、基盤と応用に着目する。AI研究は自然科学と人文・社会科学に広く基礎を持つ、極めて学際的な研究分野である。また、このマップでは進展著しい応用分野を示す。研究を基盤から見つめ直す時や、新たな応用を模索する時に参考にしてもらいたい。

最後のマップDでは、「知能とは何か?」に対するAI研究者の「多様な答え」を示す。技術進展の著しい「学習・認識・予測」はその一つであり、他にも「推論・知識・言語」や「発見・探索・創造」など知能の多様な側面を追求する研究が進んでおり、影響を与え合っている。このマップからはAI研究の広がり、懐の深さを知って頂きたい。未開の地は大きく広がっている。

【採用したキーワードについて】

  • 各マップには、AIに関連する研究分野を表すキーワードを配置している。
  • キーワードは学会誌、論文誌、研究会等で用いられているキーワードをもとに、AI研究の全体像を表すのにふさわしい か否か、という観点からタスクフォースで選定した。
  • なおAIの応用分野は拡大の一途であるため、本マップ発行時点でタスクフォースが重視する応用キーワードに絞った。(例:マテリアルズ・インフォマティクス)
  • キーワードの対象範囲には重複があり、また粒度の大小、抽象度にはバラツキがある。
  • 特定のマップの観点からは見えないキーワードがあるため、マップ内のキーワード群は一致していない。
  • AI研究を含む、より広い研究分野のキーワードも含まれており、その場合は当該分野の中のAI研究、を表す。(例:情報検索)
  • AI研究と関連の深い、別の研究分野・応用分野のキーワードも含まれている。(例:行動経済学)
  • 他にも重要なキーワードが抜け落ちている可能性がある。ぜひ、新たなキーワード候補を提案頂きたい。

【AIマップの引用・再利用について】

AIマップは、引用の範囲で、以下の要領で自由にお使いいただいて結構です。

  • 冊子全体をそのままコピー掲載しない。
  • 引用表示「人工知能学会「AIマップβ(2019年6月版)」」を併記する。
  • 可能であればダウンロードURLも併記する。

なお、AIマップβの趣旨からして、「同一性保持権」は行使しませんので、上から書き加えて頂いたり、一部を改変頂いてもOKです。
お手数でなければ、引用された資料をAI学会事務局(info[at]ai-gakkai.or.jp, [at]を@に置換)あてにお送り頂ければ幸いです。今後の活動の参考にします。