ニューチャレンジ選考過程

テーマの選抜は、会場でのアンケート結果に基づきました。 アンケートは、

  1. サバイバル
    1. Q1: 回答者の立場 [座長、PC運営委員、チャレンジの関係者、一般聴講 (初めて or 二回目以上)]
    2. Q2: 学術的 [新規性、これまでの成果の信頼性]
    3. Q3: 社会貢献
    4. Q4: 総合評価
    の4問からなり、Q2以降は各5段階評価して回答してもらうものです。
  2. 新規
    1. Q1: 回答者の立場 [座長、PC運営委員、チャレンジの関係者、一般聴講]
    2. Q2: 学術的 [新規性、新たな研究のコミュニティの可能性]
    3. Q3: 社会貢献
    4. Q4: 総合評価
    の4問からなり、Q2以降は各5段階評価して回答してもらうものです。

集計結果

学術的新規性

学術的な新規性のアンケート結果を図1に示します。アンケートは5段階評価で、1が「非常に新規性がある」で、5が「まったく新規性はない」をあらわしています。本項目に関しては、「危機」が優れており、他の4件のサバイバルチャレンジ(「危機」「RCT」「デザイン」「身体知」)がほぼ対等で同位に並ぶことが確認されました。続く新規チャレンジの「論文作成」は点数の上で、それらと有意に差がひらく結果となりました。


図1: 学術的新規性

これまでの成果の学術的信頼性(ニューチャレンジはコミュニティの可能性)

これまでの成果の学術的信頼性に関するアンケート結果を図2に示します。ただし、ニューチャレンジについてはこれまでの成果を判断することができないため、学術的側面に関する参考意見として新たなコミュニティ形成につながるか、という質問項目としました。アンケートは5段階評価で、1 が「非常に優れている」で、5 が「劣る」をあらわしています (ニューチャレンジでは 1 が「非常に多くの人が参加するだろう」を、5 が「誰も参加しないだろう」をあらわしています)。本項目に関しては、「危機」が優れており、他のサバイバルチャレンジはほぼ対等である、(と判断されている)ことが確認されました。


図2: 成果の学術的信頼性

社会貢献のインパクト

最終目標が達成された場合に社会に与えるインパクトの大きさについてのアンケート結果を図3に示します。アンケートは5段階評価で、1が「非常に大きい」で、5が「まったくない」をあらわしています。本項目に関しては、サバイバルチャレンジの5件はほぼ対等であること、続く新規チャレンジの「論文作成」は点数の上で、それらと有意に差がひらく(と判断されている)ことが確認されました。


図3: 社会貢献のインパクト

社会貢献の見込み

社会貢献の見込みに関するアンケート結果を図4に示します。アンケートは5段階評価で、1が「十分期待できる」で、5が「全く期待できない」をあらわしています。本項目に関しては、「危機」「RCT」「デザイン」「身体知」ほぼ等しく上位4件を占め、続いて「日常言語」、「論文作成」の順に有意に差がひらいてゆく (と判断されている)ことが確認されました。


図4: 社会貢献の見込み

総合評価

総合評価に関するアンケート結果を図5に示します。アンケートは5段階評価で、1が「是非サバイバルしてほしい」(ニューチャレンジは「是非チャレンジテーマとして採択してほしい」)で、5が「サバイバルしてほしくない」(ニューチャレンジは「チャレンジテーマとして採択すべきではない」)をあらわしています。本項目に関しては、サバイバルチャレンジ間での有意差はなく、5つのサバイバルチャレンジが、ニューチャレンジ「論文作成」よりも点数の上で有意に高い評価を得ていることが確認されました。


図5: 総合評価

上記アンケート結果を鑑み、来年度全国大会への勝ち残りを上位5件のサバイバルチャレンジ、すなわち「RCT」「LOS」「危機」「デザイン」「身体知」としました。

個々への感想から....

  1. RCT
    1. 高齢者・障害者の自立的移動支援という点については、バリアフリーマップを中心に特に目標達成できている。
    2. 住民参加型のGIS構築とそれに対する標準化の活動など現状でも利益をもたらしている。
    3. チャレンジのひとつの目的はAIへの貢献である。このセッションまたは他のセッションでも、このチャレンジからのAI方面への応用を考慮した研究発表もかなりみられるようになった。AI研究者への影響がかなりあったと考えられる。
  2. 危機
    1. 扱う内容が非常に身近で、かつ重要な問題であるので、たとえ100%でないとしても積極的に研究すべき。
    2. 過去の震災の教訓は対応すべき組織の連携不備・不完全であった。この欠点を改善すべく、AI(人工知能)の応用は有用・有効で、社会的に推進すべきであろう。
    3. テーマ・各発表のクオリティはよいが、発表数や聴講者数が少なく、盛り上がりに不満を感じる。オーガナイザはその点を考慮して臨んでいただきたい。
  3. 日常言語
    1. 今年のテーマである状況・文脈に関連した発表が多く集まり、昨年よりもさらに進んだ議論が行われたように思う。
    2. 今後きわめて重要性が増す研究分野である。是非継続して欲しい。
    3. 自然言語処理セッションとの相違が不明確で日常言語ならでは、という訴求点が見えにくい。その点を是非クリアにして欲しい。
  4. デザイン支援
    1. 今回発表数が増えたが、実用性をうかがわせるものが増えたと思う。
    2. チャレンジテーマの学術的新規性に関連して、認知的視点からの意義も追及している点がこのチャレンジにおける重要な視点である。モノ作り(システム生成)に重点を置いてしまうとかけてしまうことが、ここでは活かされている。
    3. 包括的な視点からの各研究の位置づけがチャレンジとしては欲しいところ。
  5. 身体知
    1. 積極的な議論がなされていて、関心の深さが感じられた。数年で結論が出るようなテーマではないが、AI学会として支援すべき分野である。
    2. 今回、対象、測定、分析手法およびその身体知の利用の多様性がわかった。そこで、身体知分野のMAPを作り、課題・方向性を整理すれば今後の進歩が進むと考えられる。
    3. 多くの被験者を使うことが困難で、一人の被験者の分析でいっぱいいっぱいになるこれらの研究は、ほかの学会ではなかなか認めてもらえない。手法の改善は必要だが、第一歩として必要なのでは。
  6. 論文作成支援
    1. 論文作成という一見地味なテーマであるが、重要なテーマである、と考える。
    2. 質の評価は総合指標となると思われるが、非常に難しいと思う。その他の点については関連ある研究もなされているので十分達成される見込みはありそう。論文を書こうと思わせる起爆剤にもなり、活性化にもつながると思う。テンプレートという手法もあるのでは、とも思う。
    3. 論文だけに特化しないほうがよいと思う。もっと一般的な方向に目を向けたほうがよいです。このままではチャレンジとして弱い。

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