チャレンジ選考過程

1. アンケートおよび集計方法

テーマの選抜は、会場でのアンケート結果に基づきました。 アンケートは、

  1. Q1 この発表者のチャレンジは5年以内に達成できると思いますか。
    (1) 達成は当分不可能である。
    (2) 達成が当分困難である。
    (3) 5年以内の達成は困難だが、もう少し時間があれば達成できる。
    (4) 5年以内の達成の可能性は高い。
    (5) 5年以内に達成できる。
  2. Q2 このチャレンジが成功すれば、社会に貢献すると思いますか。
    (1) 全く貢献しない。
    (2) 貢献の度合が小さい。
    (3) 従来の人工知能研究の平均程度に貢献する。
    (4) 大きく貢献する。
    (5) 非常に大きく貢献する。
  3. Q3 このチャレンジが成功すれば、人工知能に貢献すると思いますか。
    (1) 全く貢献しない。
    (2) 貢献の度合が小さい。
    (3) 従来の人工知能研究の平均程度に貢献する。
    (4) 大きく貢献する。
    (5) 非常に大きく貢献する。
の3問からなり、各5段階評価して回答してもらうものです。

各チャレンジャーの得点は,アンケート中の3種類の質問の評価点の平均値と しました.すなわち,最高得点が5,最低が0となります.個々のアンケート結 果では質問の内の1つ,ないし2つの評価が未記入である場合もありうるので, 質問ごとに評価の平均(Q1,Q2,Q3)を取り,その平均((Q1+Q2+Q3)/3)をそのチャレ ンジャーの得点としました.
今回は,会場で参加しているPC委員の採点結果を別に取り上げ,それに起因す る得点が,それ以外の平均の得点と差異があるかを確認することにしました.こ れは,会場の参加者のかなりの人数がチャレンジャーの関係者である場合,評価 の公正さが保てなる可能性があるためです.表中の"PC","全体-PC"の得点が該当 します.結果として,8件中4件が0.5以上の差がありました.
そこで,PCの得点である程度の公正さを補正するために,総合の得点を以下で計 算しました。

 総合得点 = α(PCによる得点の平均) + (1-α)(PCを除く参加者の得点の平均)
				      (αは[0,1]の定数)
αは定数で,大会前に近未来チャレンジ担当間で定数の値を0.3にすると事前に 決めておきました.(あまり高すぎると,会場の意見が軽視されるため).

2. 集計結果

結果として,表1の総合得点になります.得点は,RCTが首位で,他のチャレン ジャーの得点よりもかなり高い得点となっています.その後,2〜5位までは小差 で,5位と6位の得点差が大きなものとなっています.また,PCの得点を別に扱わ ない得点("全体")での上位5チャレンジャーは,総合得点での上位5チャンジャー と一致しています.また,表2はアンケートに記載されたコメントの代表的なも のを近未来チャレンジ担当ピックアップしたものです.
総合得点および,全体得点の上位5位であり,肯定的なコメントを主として受 けた以下のチャレンジャーを来年の大会でのサバイバルオブチャレンジの項目と して選定しました。

表1 集計結果

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name   |  得点 = (Q1+Q2+Q3)/3   |        標本数        |   選定結果    
       | 全体     PC   全体-PC  | 全体     PC  全体-PC | 順位  総合得点   
-----------------------------------------------------------------------
RCT    | 4.21    4.14    4.22   | 34.67   3.67   31.00 |  1     4.19 
DSIU   | 3.67    3.56    3.68   | 28.00   3.00   25.00 |  2     3.64 
危機   | 3.56    3.50    3.57   | 14.00   2.00   12.00 |  3     3.55 
3B4-03 | 3.65    3.00    3.72   | 32.67   3.00   29.67 |  4     3.51 
LOS    | 3.70    2.67    3.76   | 27.67   1.67   26.00 |  5     3.43 
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3B4-04 | 3.40    2.22    3.53   | 32.33   3.00   29.33 |  6     3.14 
3B4-01 | 3.17    2.67    3.23   | 30.67   3.00   27.67 |  7     3.06 
3B4-02 | 3.23    2.44    3.28   | 32.00   3.00   29.00 |  8     3.03 
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表2 アンケートのコメント(一部)


[RCT]
  • 5: いくつかのRCTを提案しており実際に試作、実証実験を行っている。5年以 内の達成は十分可能である。
  • 5: 高齢者・障害者がRCTを活用することにより高齢者、障害者が自立的に活動 できるようになる。高齢社会となった今及び近未来において高齢者・障害者の 自立は重要なファクターであり、RCTへの期待・貢献度は非常に大きいもので ある。
  • 4:高齢者・障害者の認知、判断、意思決定行動を支援する試みがなされており、 認知、判断、意思決定に関する人工知能に大きく貢献するものである。

[DSIU]
  • 5:初期提案から4年が経過しており、動作・評価も進んでいる。テストベッド 的なチャレンジから、それ以上のこと(商品化等)を目指すべきではないか?
  • 4:WEB上の情報過多は加速しており、人力によるレビューサイトや検索エンジ ンは限界を迎えている。自動化である程度ユーザのニーズに合った情報を得ら れるなら意義は大きい
  • 4:WEB上からの知識獲得は意思決定支援以外にも応用範囲が大きい。本当は3 かな?とも思うのですが、総合的に面白いので4にしました。

[危機]
  • 3:チャレンジが完全に達成されるのは困難であると思うが、部分的には可能だ と思う。全面的にはもう少し時間がかかるのではないか
  • 5:災害に対する支援は社会的にも非常に重要な課題である。
  • 4:シミュレーションシステム、エージェント??などの構築や研究から得られ る知見はAIの他の研究にも役立つと考える。

[3B-03]
  • 5:音楽やデザインの作成支援については現在でも様々なシステムが存在するた め、技術としてはそれほど難しくないと思う。
  • 2:音楽やデザインをコンピュータを用いて、作成していくことは、非常に新し く斬新であるが、芸術というものは、根本やあり方を考えると社会において大 きな貢献をするとは思えない。
  • 4:目指している技術は工学的には、非常に価値の高いものであり、人工知能へ の貢献も高いと思う。ただ、今までなされている技術も含まれていると思う。

[LOS]
  • 3:アプリケーション側の対応に時間がかかりそう。DB構築を人手でやるなら時 間がかかりそう。
  • 4:ただ、全て言語でやる事に冗長性がある気がします。
  • 4:やりたいこと→やれること。非人間とのコミュニケーションによる人間への 影響

[3B-04]
  • 3:表層的な実現は可能だが、深い??の実現は難しい。
  • 4:社会的弱者に対する貢献は大
  • 4:記憶支援は新しい研究課題が多い。

[3B-01]
  • 5:既存の手法の統合という観があるので、システムの構築は楽か?システムの 効果は元のDBに依るか?
  • 2:新規テーマであるからと言って、社会に貢献するとは限らない。
  • 2:研究活動を支援するものだが、良いテーマ、ブレークスルーになるテーマが 出るか不明。

[3B-02]
  • 2:人間関係をデジタルに記述することは困難であろう。ましてや最適な解法を 出すのは更に困難に思える。
  • 3:ユーザ同士だけではなく、もっと様々なスケジューリングに活用することが できるなら"4"
  • 5: 柔軟なリソース管理が実現できれば大きな前進だと考えられる。


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